特定技能「リネンサプライ」とは?申請開始後の受入れ要件と企業の準備

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リネンサプライ分野は、2026年1月の閣議決定で特定技能1号の19分野に加わり、2026年6月1日から在留資格の申請が可能になりました。一方、同年7月29日時点でも技能評価試験の実施要領は準備中です。「制度に追加された」「申請できる」「新規候補者が試験を受けられる」は別の段階だと理解しなければなりません。
企業が先に行うべきことは、求人を出すことではなく、受入れ施設の衛生基準認定と協議会加入の可否を確認し、候補者が試験免除の対象かを調べることです。
2026年6月1日から申請可能になった
厚生労働省は、2026年6月1日に特定技能1号のリネンサプライ分野で在留資格の申請が可能になったと公表しました。分野別の運用要領別冊も同日に制定されています。2026年の追加分野全体を扱う記事とは異なり、ここでは受入企業が申請前に整える条件に絞ります。
ただし、制度開始は自社が直ちに受け入れられるという意味ではありません。施設、雇用形態、候補者、協議会の4点を順に確認してください。
対象業務は入荷から出荷までの一連の工程
業務区分は「リネンサプライ」の1区分です。ホテルや病院などで使用されたリネン類について、次の一連の業務を担います。
- 入荷、仕分け
- 洗濯、乾燥
- 仕上げ、検品、結束
- 出荷
使用資材の運搬や事業所の日常的な清掃など、日本人が通常行う関連業務へ付随的に従事することは認められます。ただし、運搬や清掃だけに専従させることはできません。 雇用条件書と現場の配置を一連の工程に合わせる必要があります。
受け入れられるのは要件を満たす施設
受入企業は、都道府県知事の登録を受けた営業所で本人を直接雇用し、リネンサプライ業を行う事業所で就労させます。さらに、就労先の施設は次のいずれかの基準に適合する認定が必要です。
- 日本リネンサプライ協会の「リネンサプライ業に係る洗濯施設及び設備に関する衛生基準」
- 医療関連サービス振興会の「寝具類洗濯業務に関する基準」
認定は法人単位ではなく施設単位です。複数工場を運営していても、認定を受けていない施設には配置できません。認定の有効期限と、雇用条件書に記載する事業所が一致するかも確認します。
雇用は直接雇用に限られる
リネンサプライ分野では労働者派遣による受入れは認められません。派遣することも、派遣された人を受け入れることもできないため、繁忙期だけ派遣で補う設計は制度要件と合いません。
雇用契約、報酬、1号特定技能外国人支援計画などの共通要件も必要です。特定技能の申請手続と分野固有の書類を分けて確認してください。
協議会には在留諸申請の前に加入する
受入企業は、リネンサプライ分野特定技能協議会の構成員になる必要があります。厚生労働省の案内では、対象者に係る在留諸申請の前に加入し、構成員資格証明書を得る運用です。登録支援機関による加入手続の代行は認められていません。
加入申請では、受入れ施設の名称・所在地、衛生基準の認定番号と有効期限、候補者の国籍・人数などを示します。支援を委託しても、協議会加入の主体と責任は受入企業です。
技能試験は実施要領が準備中
技能要件は「リネンサプライ分野特定技能1号評価試験」の合格です。しかし、入管庁の分野別ページでは2026年7月29日時点も試験実施要領を準備中としています。試験日、会場、申込方法を前提に入社日を確定させる段階ではありません。
一方、クリーニング職種の「リネンサプライ仕上げ作業」で技能実習2号を良好に修了し、業務との関連性が認められる人は、当面の間、技能試験と日本語試験の証明が免除されます。現在の候補者選定では、修了職種・作業と良好修了を示す資料を先に照合してください。技能実習から特定技能への移行では、試験免除と在留資格変更の要件を混同しないことが重要です。
日本語はA2.2相当以上
試験ルートでは、日本語教育の参照枠のA2.2相当以上が必要です。具体的には国際交流基金日本語基礎テストのA2.2相当以上、または日本語能力試験N4以上で証明します。
技能実習2号を良好に修了した人は、職種・作業との関連性がなくても日本語試験の証明は免除されますが、技能試験の免除には業務との関連性が必要です。この非対称な扱いは候補者確認で見落としやすい点です。特定技能の日本語要件も併せて確認してください。
特定技能2号の対象ではない
リネンサプライは特定技能1号のみで、2号では受け入れられません。1号は通算在留期間に上限があるため、採用時からその後のキャリアを説明する必要があります。特定技能1号と2号の違いを前提に、本人が長期就労を希望する場合の選択肢を確認してください。
育成就労では対象分野になる
リネンサプライは2027年4月1日施行予定の育成就労制度では対象分野です。分野別の運用要領も2026年7月14日に制定され、主たる技能はリネンサプライ仕上げ作業、雇用は直接雇用、受入れ施設には衛生基準の認定が求められます。
ただし、現在の特定技能1号の採用手続と、施行前の育成就労の準備は別です。育成就労を将来の採用経路にする企業は、育成就労制度の最新スケジュールを確認してください。
企業が進める準備チェック
申請開始後の準備は、次の順番で進めると手戻りを減らせます。
- 就労させる営業所と施設を確定する
- 知事登録と衛生基準認定の種類・有効期限を確認する
- 候補者の技能実習の職種・作業、良好修了資料を確認する
- 直接雇用の契約と支援計画を作成する
- 協議会へ受入企業自身が加入申請する
- 構成員資格証明書など分野固有の提出書類をそろえる
試験の公表を待ってから施設要件を調べると、採用計画が後ろ倒しになります。 試験日程と無関係に進められる施設・協議会・支援体制の確認を先行させてください。
FAQ
Q1. リネンサプライ分野の特定技能1号はもう申請できますか? → はい。厚生労働省は2026年6月1日から申請可能と公表しています。ただし技能評価試験の実施要領は準備中なので、候補者が試験免除の対象かを先に確認してください。
Q2. クリーニング工場ならどこでも受け入れられますか? → いいえ。知事登録を受けた営業所での直接雇用に加え、就労先施設が指定された衛生基準のいずれかについて認定を受けている必要があります。認定は法人単位ではなく施設単位です。
Q3. 登録支援機関が協議会加入を代行できますか? → できません。厚生労働省は登録支援機関による加入手続の代行を認めていません。受入企業が在留諸申請の前に加入します。
Q4. 特定技能2号へ移行できますか? → リネンサプライ分野は2号の対象外です。1号の在留期間を踏まえ、採用時にキャリアの見通しを本人へ説明してください。
まとめ
リネンサプライ分野は2026年6月1日に申請可能となりましたが、技能評価試験の実施要領は準備中です。受入企業は待機するのではなく、施設単位の衛生基準認定、直接雇用、協議会への事前加入、候補者の試験免除資料を確認してください。
この分野の準備は、候補者探しより先に就労施設が要件を満たすかを確定することが出発点です。制度の更新を追いながら、試験日程に左右されない準備を進めるのが現実的です。