日本語教育

特定技能の日本語要件とは?N4の位置づけと分野別の例外を解説

特定技能1号の日本語要件は、原則として「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上です。日本語能力試験N4以上やJFT-Basicで証明できますが、合格は電話対応や安全指示まで一人で処理できることを意味しません。

受入企業は、在留資格の要件と配属先で必要な会話力を分けて考える必要があります。介護、自動車運送業、鉄道には分野・業務区分ごとの追加要件もあります。

特定技能1号は原則A2.2相当以上

出入国在留管理庁の運用要領は、1号特定技能外国人に、ある程度の日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を基本としながら、分野ごとに業務上必要な日本語能力を求めています。

2026年1月23日の分野別運用方針では、多くの分野の水準がA2.2相当以上とされています。要件は特定の試験名だけでなく、日本語教育の参照枠の水準で定められている点が重要です。

N4とJFT-Basicの関係

代表的な証明方法は次の2つです。

  • 日本語能力試験のN4以上
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)のA2.2判定

JFT-Basicは2026年8月からA1・A2.1・A2.2の3段階を判定し、200点以上がA2.2です。入管庁の特定技能Q&Aによると、2025年12月1日時点で、これら以外にA2またはB1相当として認められた日本語試験はありません。申請時には最新の分野別資料を確認してください。

N4合格は会話力の保証ではない

日本語能力試験は、2025年第2回試験から成績書類に欧州言語共通参照枠の参考表示を始めました。一方、公式説明は、同試験で測定していない話す・書く・やりとりの能力は参考表示に含まれないと明記しています。

JFT-Basicも選択式で、発話そのものを採点する試験ではありません。したがって、N4やJFT-Basicの合格だけを根拠に、電話、クレーム、緊急時の報告を任せるのは危険です。受入れ後の日本語教育とは別に、配属前の会話確認を行ってください。

A2.2は支援があれば業務を行える水準

入管庁の制度概要に掲載された就労場面の「できることリスト」では、A2.2は、不明点があった場合に上司等が助ければ実施できる業務に対応します。接客、配達、介護、調理などが例示されています。

これは、単独で例外処理までできる水準ではありません。誰に聞くか、どの言葉で作業を止めるか、事故時に何を報告するかまで教える必要があります。

介護は追加の日本語試験がある

介護分野ではA2.2相当以上に加え、介護現場で使う日本語を確認する試験の合格が必要です。現行の入管庁資料では「介護日本語評価試験」、2026年の新方針では「介護特定技能評価試験(日本語)」という名称が使われています。

介護職種・介護作業の技能実習2号を良好に修了した人は追加試験も免除されますが、他職種の修了者は免除されません。詳しくは特定技能「介護」を確認してください。

バス・タクシーと鉄道の一部はB1

自動車運送業では、トラック運転者はA2.2相当以上、バス・タクシー運転者は原則としてB1相当以上です。一定の乗合バス・タクシーでは、日本語学習プランや意思疎通を補助する要員の同乗等を条件にA2.2で認める措置があります。貸切バスまで同じ扱いと決めず、業務区分と事業形態を確認してください。

鉄道では運輸係員がB1相当以上で、軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、駅・車両清掃はA2.2相当以上です。

技能実習2号修了者にも例外がある

技能実習2号を良好に修了した人は、原則として1号の日本語試験が免除されます。修了した職種・作業と、特定技能で従事する業務の関連性は、日本語試験の免除には問いません。

ただし、介護の追加試験、自動車運送業のバス・タクシー、鉄道の運輸係員には前述の例外があります。「技能実習修了者なら日本語試験はすべて不要」と処理しないでください。

特定技能2号のB1は2027年4月から

2026年1月の分野別運用方針は、特定技能2号の日本語能力をB1相当以上としています。入管庁の2026年改正の分野別要領では、この要件を2027年4月1日以降に求めることが示され、具体的な証明方法は別途案内するとされています。

現在の2号申請と2027年4月以降の申請を混同せず、申請時点の分野別要領を確認してください。

採用時は試験と業務を別々に確認する

採用時には、試験の合格証明だけでなく、担当する業務区分、技能実習修了による免除の可否、職場で必要な会話を確認します。安全指示は、母語資料、図示、実演も併用します。

育成就労の開始時・転籍時・修了時の水準は別の制度設計です。育成就労の日本語要件と混ぜないでください。

FAQ

Q1. 特定技能1号はN4で申請できますか? → 多くの分野ではN4以上が代表的な証明方法です。ただし介護には追加試験があり、バス・タクシーと鉄道の運輸係員は原則B1相当以上です。

Q2. N4合格者なら電話対応を任せられますか? → 合格だけでは判断できません。日本語能力試験は、話す・書く・やりとりを測定していないため、配属先の会話を別に確認します。

Q3. 特定技能2号にも日本語要件がありますか? → 2026年の分野別運用方針はB1相当以上とし、2027年4月1日以降に求める要領が公表されています。証明方法は申請時の最新資料で確認してください。

Q4. 技能実習2号修了者は日本語試験が免除されますか? → 原則は免除です。ただし介護の追加試験と、バス・タクシー、鉄道の運輸係員には例外があります。

まとめ

特定技能1号の日本語要件は原則A2.2相当以上で、N4以上またはJFT-BasicのA2.2判定が代表的な証明方法です。ただし、試験合格は職場での会話力を保証しません。

介護、自動車運送業、鉄道には追加・上位要件があります。2号のB1相当以上は2027年4月以降の取扱いに注意し、担当業務と申請時点の資料を基準に判断してください。

参考リンク

外国人材の日本語教育を、AIで

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