日本語教育

育成就労の日本語学習プランとは?介護分野の作成時期と実務を解説

育成就労の日本語学習プランは、介護分野で育成就労を開始して1年が経過するまでに必要になる書面です。ただし、2026年7月29日時点では、育成就労用の様式、記載要領、提出先は公表資料で確認できません。

先に制度上の到達水準だけを並べても、誰が何を教え、どの記録を残すかは決まりません。企業は公表待ちの項目と、今から決められる学習実務を分けて準備する必要があります。

日本語に関する3つの計画を分ける

育成就労では、似たものが同時に登場します。

  1. 育成就労計画:修了時の日本語能力の目標や目標とする試験を記載して認定申請する
  2. 100時間以上の講習:原則として認定日本語教育機関の「就労のための課程」を受ける機会を企業が設ける
  3. 介護分野の日本語学習プラン:開始後1年経過時までに作成する介護固有の要件

この3つは代替関係ではありません。制度全体は育成就労制度の解説、段階別の水準は育成就労の日本語要件で確認してください。

育成就労で名称が明示されているのは介護分野

公表済みの分野別運用方針で、育成就労の要件として名称が明示されているのは介護分野です。介護では、就労開始までにA2.2相当以上が必要です。さらに、開始後1年が経過するまでにA2.2相当以上を維持し、日本語学習プランを作成します。

ただし、B1相当以上の水準が試験などで証明されている人は作成不要です。厚生労働省告示は、B1を目指して継続的に学ぶ意思を本人が表明し、事業所で必要な日本語を学ぶことを求めています。

なお、同じ名称の書面は特定技能側にもあります。自動車運送業の分野別運用方針は、A2.2相当の1号特定技能外国人にバス・タクシーの運転業務を行わせる場合、受入企業がB1相当以上の修得に向けた日本語学習プランを作成することを条件としています。育成就労の介護とは制度も対象も異なるため、特定技能の日本語要件と分けて管理してください。

時点ごとの要件と混同しない

一般的な分野では、就労開始前はA1相当以上の試験合格または所定の講習、1年経過時はA1相当以上、修了時はA2.2相当以上です。本人意向の転籍に必要な水準は分野別に定められます。

介護では、開始前からA2.2相当以上、1年経過時にA2.2相当以上と日本語学習プラン、修了時にA2.2相当以上と介護特定技能評価試験(日本語)が求められます。本人意向による転籍には2年の制限期間とA2.2相当以上の水準があります。

学習プランは転籍の条件でも、修了時の試験の代わりでもありません。

誰が作り、どこへ提出するか

育成就労計画は申請者が作成し、監理型では監理支援機関の指導を受けます。また、日本語講習の機会、費用、受講環境を確保する責任は育成就労実施者にあります。

一方、介護の日本語学習プランについて、現時点の厚生労働省告示と分野別運用方針は「作成」を要件とするものの、作成者名、所定様式、添付時期、提出先までは示していません。 企業が本人と案を作り、監理型では監理支援機関に確認する準備が安全です。確定様式として提出するのは、介護分野の運用要領更新を確認してからにしてください。

準備用シートに書く7項目

次の項目は、法定様式ではなく、企業が先行して整える社内用の準備項目です。

  • 本人、事業所、学習担当者
  • 現在の試験結果と受験日
  • B1相当以上という到達目標と期限
  • 介護記録、申し送り、利用者対応など学ぶ場面
  • 教材、授業、自習、職場練習の方法と頻度
  • 確認日、確認方法、次回受験予定
  • 本人の学習意思と、企業が用意する時間・機器・担当者

「毎週勉強する」だけでは見直せません。誰が、いつ、何を確認するかまで一行で追える形にしてください。

100時間講習とは別に管理する

育成就労実施者は、3年間にA2相当を目標とする講習を100時間以上受ける機会を設け、講習費用と受講環境を整えます。基本は認定日本語教育機関の就労課程で、当分の間は一定要件を満たす登録日本語教員の講習も認められます。

すでに目標水準を試験で証明している場合、機会提供の義務はありません。介護は開始前からA2.2相当以上が必要なため、100時間講習を受ければ1年後の日本語学習プランも済む、とは整理できません。 介護のプランはB1に向けた継続学習として別に設計してください。

学習記録を月ごとに残す

計画だけでなく、受講日、内容、出席、課題、職場で確認した場面、本人との面談、試験結果を月ごとに残します。講習を外部へ依頼する場合は、契約、請求、受講証明も同じ個人記録にまとめます。

企業が参加を強制して業務として行う学習は、労働時間になる点にも注意が必要です。一方、制度上の100時間講習は一律に労働時間とする義務まではありません。学習の実施方法と賃金の扱いを先に決めてください。

転籍時は履修時間と記録を引き継ぐ

運用要領は、転籍元で対象講習を30時間終えていれば、転籍先が残り70時間以上を行う例を示しています。転籍前の記録がなければ、残り時間を説明できません。

本人意向による転籍を受け入れる場合は、試験証明、講習の実施機関、履修時間、学習記録を確認し、新しい育成就労計画と社内の学習シートへ反映してください。

1年を待たずに見直す

介護の日本語学習プランは1年経過時の要件ですが、作成を直前まで待つと実績が残りません。入社時の試験結果を起点に、3か月程度ごとに、申し送り、記録、利用者との会話など業務場面で確認する運用が実務的です。

進みが遅いときは、教材を増やす前に、学習時間、指導言語、勤務との両立、苦手な場面を確認します。職場での日本語研修も、試験対策と業務上の会話練習を分けて設計してください。

FAQ

Q1. 日本語学習プランは全分野で提出しますか? → 育成就労の分野別要件として名称が明示されているのは介護です。全分野では育成就労計画への日本語目標の記載と、要件に応じた講習機会の確保が必要です。別に、特定技能の自動車運送業(バス・タクシー)にも同名のプランの作成条件があります。

Q2. 介護でB1相当以上なら日本語学習プランは不要ですか? → はい。開始後1年経過時までにB1相当以上が試験などで証明されている場合は、介護の日本語学習プランは不要です。

Q3. 100時間の講習を受ければプラン作成は不要ですか? → いいえ。100時間講習と介護の日本語学習プランは別の要件です。介護では開始前にA2.2相当以上が必要で、1年後はB1に向けた学習を別に管理します。

Q4. いま技能実習の介護用様式を使えますか? → 技能実習には日本語学習プランの参考様式がありますが、育成就労用ではありません。社内検討の参考にとどめ、育成就労の確定様式として提出しないでください。

まとめ

育成就労の日本語学習プランは、介護分野で開始後1年経過時までに必要となり、B1相当以上なら作成不要です。一般の育成就労計画、100時間講習、転籍や修了時の試験とは分けて管理してください。

様式と提出先が未公表でも、本人の現在地、B1の目標、業務場面、学習方法、確認日、受験予定、支援内容は今から整理できます。公表待ちを理由に学習記録まで先送りしないことが、企業の準備の中心です。

参考リンク

外国人材の日本語教育を、AIで

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