制度解説

育成就労制度とは?2027年施行の仕組み・転籍・企業の準備を解説

育成就労制度は、2027年4月1日に施行される外国人材の育成・確保制度です。原則3年間の就労を通じて、特定技能1号水準の技能を持つ人材を育成します。技能実習の名称だけを置き換える制度ではなく、対象分野、本人意向による転籍、日本語要件、監理支援機関などが新しく設計されています。企業は施行前から計画認定と受入体制を準備できます。

育成就労制度の目的

目的は、人材確保が困難な産業分野で、外国人を原則3年間の就労により特定技能1号水準まで育成し、人材を確保することです。技能実習制度の技能移転とは目的が異なり、育成終了後の特定技能1号への移行を制度上の流れに置いています。

ただし、3年間在籍すれば自動的に特定技能へ移れるわけではありません。終了時の技能・日本語水準を満たし、在留資格変更の許可を受ける必要があります。

対象は17分野

育成就労の対象は17分野です。特定技能1号の19分野のうち、自動車運送業と航空は対象外です。分野ごとに業務区分、試験、受入企業や監理支援機関への上乗せ基準が定められます。

技能実習の職種・作業と名称が似ていても、そのまま育成就労の区分になるとは限りません。事業内容と現場作業を分け、分野別運用要領に照らしてください。

育成期間は原則3年

育成就労は、認定された育成就労計画に基づく原則3年の制度です。育成終了時の試験に不合格だった場合などには、最長1年の延長制度があります。

技能実習の1号から3号までを合わせた最長5年とは異なり、育成就労の基本は3年です。3年間でどの技能を、どの業務と指導方法によって身につけるかを計画し、就労開始後の待遇向上も含めて管理します。

日本語要件は段階ごとに確認する

就労開始までに、原則としてA1相当以上の試験合格または相当する日本語講習の受講が必要です。1年経過時はA1相当以上、育成終了時は特定技能1号と同じA2.2相当以上が基準になります。

介護は例外で、就労開始前からA2.2相当以上が必要です。本人意向による転籍では、分野ごとに定める期間の経過に加え、原則A2.1相当以上などの要件を確認します。育成就労の日本語要件で段階別に整理しています。

本人意向による転籍

育成就労では、やむを得ない事情がある場合に加え、一定の要件を満たせば本人の意向による転籍が認められます。同じ業務区分であること、分野ごとに1年または2年と定められる就労期間を経過していること、技能・日本語要件を満たすことなどが必要です。

自由な時期に、自由な分野へ移れる制度ではありません。 一方で、転籍を妨げるために違約金や不当な制限を設けることもできません。企業は採用時から、待遇、育成内容、相談経路を明示する必要があります。

監理支援機関の役割

監理型育成就労では、主務大臣の許可を受けた監理支援機関が、受入企業への監理と外国人への支援を担います。現在の監理団体の許可が自動的に監理支援機関の許可へ変わるわけではありません。

外国人技能実習機構は、2026年4月15日から監理支援機関の施行日前許可申請を受け付けています。現在の監理団体へ継続依頼する予定でも、許可申請の有無と取り扱う分野を確認してください。

育成就労計画

受入企業は外国人ごとに育成就労計画を作成し、認定を受けます。計画には、業務、育成目標、技能・日本語の評価、労働条件、支援体制などを反映します。単なる日本語教育計画ではなく、雇用と技能育成を含む認定計画です。

施行日前の計画認定申請は2026年9月1日から受け付ける予定です。申請前に、監理支援機関の取扱分野、送出機関、雇用条件、講習提供機関などをそろえる必要があります。

技能実習からの移行

2027年4月1日にすべての技能実習生が育成就労へ切り替わるわけではありません。施行前に認定された計画に基づき、施行日時点で技能実習をしている人は、経過措置により技能実習を続けられます。

施行前に必要な認定等を受けた人が施行後に入国する取扱いもあります。既存の技能実習生、新規の育成就労候補者、特定技能への移行候補者を同じ工程表で管理しないでください。

企業が準備すること

  • 対象分野・業務区分と予定作業を照合する
  • 3年間の技能育成と日本語学習の担当者を決める
  • 監理支援機関の許可申請と取扱分野を確認する
  • 本人意向による転籍を前提に待遇・評価制度を見直す
  • 技能実習の経過措置対象者を別に一覧化する
  • 国別の認定・暫定送出機関リストを制度別に確認する

育成就労の準備では、企業内の担当分担を詳しく整理しています。

FAQ

Q1. 育成就労制度はいつ始まりますか? → 2027年4月1日です。監理支援機関の許可は2026年4月15日、育成就労計画の認定は同年9月1日から施行日前申請が予定されています。

Q2. 育成就労の在留期間は5年ですか? → 原則3年です。終了時の試験に不合格だった場合などに最長1年延長できる仕組みがあります。

Q3. 育成就労では自由に転職できますか? → 無条件ではありません。本人意向による転籍には、同一業務区分、分野別の就労期間、技能・日本語などの要件があります。

Q4. 現在の監理団体へそのまま依頼できますか? → 監理支援機関の新たな許可が必要です。許可申請の状況、取り扱う分野、施行日から業務を開始できる見込みを確認してください。

まとめ

育成就労は、17分野で原則3年間の就労を通じ、特定技能1号水準の人材を育成・確保する制度です。日本語要件は就労開始、1年経過、本人意向による転籍、育成終了で異なります。

2026年は、監理支援機関と育成就労計画の施行前申請が始まる準備年です。技能実習の経過措置と新規育成就労を分け、候補者、分野、申請日、入国予定日を個別に管理してください。

参考リンク

外国人材の日本語教育を、AIで

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