特定技能制度とは?19分野と1号・2号、企業の受入れ要件を解説

特定技能は、人手不足が続く産業分野で、一定の技能と日本語力を持つ外国人材を雇用するための在留資格です。2026年1月の閣議決定で1号の対象は19分野となり、2号は介護を除く11分野です。ただし、分野に追加されたことと、直ちに採用手続を始められることは同じではありません。 新分野では試験、協議会、申請書類などの準備状況も確認する必要があります。
特定技能制度の目的
特定技能は、生産性向上や国内人材の確保に取り組んでも人材不足が解消しにくい分野で、外国人材を受け入れる制度です。技能移転を目的とする技能実習制度とは、制度目的が異なります。
受入企業と外国人本人は雇用契約を結び、日本の労働関係法令が適用されます。報酬額は、同じ業務に従事する日本人と同等以上でなければなりません。
特定技能1号の19分野
1号の対象は次の19分野です。
- 介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設
- 造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊
- 農業、漁業、飲食料品製造業、外食業
- 自動車運送業、鉄道、林業、木材産業
- リネンサプライ、物流倉庫、資源循環
分野ごとに従事できる業務区分、雇用形態、協議会手続、上乗せ基準が異なります。事業所の産業分類だけで判断せず、本人に任せる作業を特定技能の分野一覧と分野別運用要領に照らしてください。
特定技能1号の要件
1号は、相当程度の知識または経験を必要とする技能を持つ人が対象です。原則として、分野別の技能試験と、日本語教育の参照枠でA2.2相当以上と認められる日本語試験に合格する必要があります。介護では介護日本語評価試験も必要であり、自動車運送業のバス・タクシーや鉄道の運輸係員など、より高い日本語水準を求める業務もあります。
関連する技能実習2号を良好に修了した人には、試験免除の経路があります。ただし、別の職種から移る場合まで技能試験が一律に免除されるわけではありません。
特定技能2号との違い
2号は熟練した技能を持つ人が対象で、介護を除く11分野です。1号に後から加わった自動車運送業、鉄道、林業、木材産業、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環は2号の対象ではありません。
2号は在留期間更新の回数に上限がなく、要件を満たせば配偶者と子の家族滞在が認められます。一方、1号は原則として通算5年が上限で、家族帯同も原則認められません。2027年4月に施行される育成就労制度からは、修了後に1号へ移る流れが制度上の想定です。詳しい比較は特定技能1号と2号の違いで整理しています。
受入企業に求められること
企業は、適切な雇用契約、法令順守、必要な届出、分野別基準への適合を確認します。分野によっては、所管省庁の協議会加入や受入計画の認定などが必要です。
2025年4月以降は、地方公共団体へ協力確認書を提出し、地域の共生施策を踏まえて1号支援計画を作成する取扱いも始まっています。登録支援機関に委託しても、雇用主としての労務管理や分野別手続まで移るわけではありません。
1号で必要な支援
1号の受入企業は、事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保、生活オリエンテーション、日本語学習機会の提供、相談対応、定期面談などを含む支援計画を作成し、実施します。
支援は自社で行うほか、登録支援機関へ全部または一部を委託できます。全部を委託した場合に限り、受入企業が支援体制の基準を満たしたものとみなされます。委託後も、支援状況を把握し、契約外の事項を誰が行うか明確にしてください。
採用までの基本的な流れ
最初に、事業と予定業務が分野・業務区分に合うか確認します。次に候補者の試験合格や免除資格、国別手続を確認し、雇用条件を提示します。その後、1号では支援計画と支援体制を整え、分野別手続と在留申請を進めます。
海外から採用する場合、国によっては送出国政府側の登録や推薦が必要です。ベトナムとインドネシアでも手続が異なるため、日本側の在留申請だけで工程表を作らないでください。
受入れ前の確認事項
- 会社の事業ではなく、本人の予定業務が対象区分に合うか
- 技能・日本語試験の合格証明または免除資料があるか
- 日本人と同等以上の報酬など雇用条件を満たすか
- 協議会加入や分野別認定を申請日程に組み込んだか
- 1号支援の実施者、言語、記録方法を決めたか
- 送出国側の手続と日本側手続を分けて管理しているか
FAQ
Q1. 特定技能1号は現在何分野ですか? → 2026年1月の閣議決定で19分野です。ただし、新たな分野は試験や申請受付などの準備状況を確認してから採用日程を決めてください。
Q2. 特定技能1号から2号へ自動的に移れますか? → 自動ではありません。2号の対象分野で、分野別の技能試験や実務経験などの要件を満たし、在留資格変更の許可を受ける必要があります。
Q3. 登録支援機関への委託は必須ですか? → 自社が支援体制の基準を満たし、支援計画を適正に実施できるなら必須ではありません。全部または一部を委託することもできます。
Q4. 特定技能2号になれば永住できますか? → 2号の取得だけで永住が認められるわけではありません。永住許可は在留期間、素行、生計、公的義務の履行などを含めて別に審査されます。
まとめ
特定技能は、対象業務、本人の技能・日本語、受入企業の基準、1号支援、分野別手続を一体で確認する制度です。1号は19分野、2号は介護を除く11分野ですが、新分野では受入れ開始の準備状況も確認してください。
採用を急ぐときほど、会社の業種名だけで対象可否を決めず、予定業務を分野別運用要領へ照合することが重要です。国別手続、協議会、支援計画を含む工程表を作り、在留申請の前段階から担当者を決めてください。