特定技能1号と2号の違いは?19分野・11分野、在留期間と支援を比較

特定技能1号と2号の最大の違いは、求める技能水準と在留期間です。1号は19分野で通算5年が原則上限、2号は介護を除く11分野で更新回数に上限がありません。2号では要件を満たす配偶者と子の家族滞在も可能です。ただし、1号を終えれば自動的に2号へ移れるわけでも、2号を取れば自動的に永住できるわけでもありません。
1号と2号の比較
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能水準 | 相当程度の知識または経験 | 熟練した技能 |
| 対象分野 | 19分野 | 11分野 |
| 在留期間 | 原則通算5年まで | 更新回数に上限なし |
| 家族滞在 | 原則不可 | 要件を満たす配偶者・子は可能 |
| 支援計画 | 必要 | 1号の支援計画は不要 |
| 主な確認 | 技能・日本語、企業・分野要件 | 2号技能・実務経験、分野要件 |
在留期間、家族、支援だけで判断せず、本人が予定業務で2号要件を満たせるかを確認する必要があります。
特定技能1号は19分野
1号は、介護から資源循環までの19分野です。2026年1月の閣議決定で、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環を含む体制になりました。
1号の日本語は原則A2.2相当以上で、分野別技能試験も必要です。介護の追加試験や、バス・タクシー、鉄道運輸係員の日本語水準など例外があります。対象業務は特定技能の分野一覧で確認してください。
特定技能2号は11分野
2号の対象は、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の11分野です。
介護は2号の対象外です。介護福祉士国家資格を取得して在留資格「介護」へ移る経路などを検討します。2027年施行の育成就労から1号へ進む流れは技能実習と育成就労の違いで扱っています。また、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環も2号の対象外です。
工業製品製造業の2号は、機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理の3区分に限られます。1号で追加された他の製造業務まで2号へ移れるとは限りません。
技能要件の違い
1号は、指示を理解して一定の業務を遂行できる水準を、試験または技能実習2号の良好修了などで確認します。2号は、複数の作業者を指導する、工程を管理するなど、分野ごとに定める熟練した技能と実務経験が必要です。
2号の試験名、実務経験年数、証明書類は分野ごとに違います。「1号で何年働いたか」だけでは判定できません。採用時から担当業務と経験証明の残し方を決めてください。
日本語要件の考え方
1号では、原則としてA2.2相当以上の日本語力を確認します。2027年4月1日以降、2号ではB1相当以上の日本語能力水準を求める方針が示されています。具体的な証明方法は最新の分野別運用要領で確認してください。
2号試験の合格だけを目標にすると、日本語要件の準備が遅れます。特定技能の日本語要件とあわせ、受験時期を計画してください。
在留期間と家族
1号は原則として通算5年が上限です。転職しても、1号として在留した期間が会社ごとにリセットされるわけではありません。休業など一定の事情に対する例外は、個別に入管庁へ確認します。
2号は在留期間更新の回数に上限がありません。配偶者と子も、扶養などの要件を満たせば家族滞在が認められます。家族の在留資格は別途申請が必要で、2号許可と同時に自動付与されるものではありません。
支援義務の違い
1号の受入企業は、1号特定技能外国人支援計画を作成し、義務的支援を実施します。自社実施のほか、登録支援機関へ全部または一部を委託できます。
2号には1号と同じ支援計画の義務はありません。ただし、雇用主としての労務管理、安全衛生、生活上の連絡、外国人雇用状況の届出などがなくなるわけではありません。家族を含む定着支援を会社の任意施策として設計する価値があります。
2号へ移行する流れ
まず、本人の業務区分が2号対象か確認します。次に、分野別の実務経験を積み、経験を証明できる職務記録を残します。必要な技能試験、日本語要件、受入企業の分野別条件を満たしたうえで、在留資格変更許可を申請します。
1号を経ずに2号要件を満たす場合の取扱いも制度上あり得るため、「1号を5年終えること」を一律の前提にしないでください。重要なのは分野別要件を満たすことです。
企業が採用時に確認すること
- その業務区分が2号まで用意されているか
- 2号試験に必要な実務経験を社内で積めるか
- 指導・工程管理の経験を記録できるか
- 1号の残り在留期間内に試験を受けられるか
- 日本語学習と受験の計画があるか
- 2号へ進めない場合のキャリアを本人へ説明したか
特定技能制度の全体像と分野別運用要領を使い、採用時点で出口を確認してください。
FAQ
Q1. 特定技能2号の対象は何分野ですか? → 介護を除く11分野です。1号に後から加わった7分野は2号の対象ではありません。
Q2. 1号で5年働けば2号へ移れますか? → 自動ではありません。対象分野で、2号技能試験、実務経験、日本語などの分野別要件を満たす必要があります。
Q3. 特定技能2号なら家族を呼べますか? → 扶養などの要件を満たす配偶者と子は、家族滞在を申請できます。親や兄弟姉妹は対象ではありません。
Q4. 特定技能2号なら永住できますか? → 自動的には認められません。永住許可は在留歴、公的義務の履行、生計、素行などの要件で別に審査されます。
まとめ
1号は19分野、原則通算5年、支援計画が必要です。2号は介護を除く11分野で更新回数に上限がなく、配偶者と子の家族滞在が可能ですが、熟練技能と分野別の実務経験が必要です。
企業は、1号採用時に2号対象の業務かを確認し、試験合格だけでなく実務経験を証明できる配置と記録を準備してください。2号へ進めない分野では、別の在留資格や帰国後を含むキャリアを本人と共有することが重要です。