在留資格変更許可申請とは?不許可を防ぐ企業側の確認事項

目次
在留資格変更許可申請は、日本に在留する外国人が、現在とは別の在留資格に当たる活動へ移るための申請です。新しい資格の学歴、試験、実務経験を満たしていても、それだけで許可されるとは限りません。
入管庁は、変更後の活動に加え、これまでの在留状況、法令遵守、納税・社会保険、変更の必要性などを総合的に判断します。採用要件だけを確認し、留学中の出席や資格外活動、現在の就労状況を確認しないと、入社予定に影響します。
在留目的を変えるときの申請
在留資格は、日本で行う活動または身分・地位に応じて認められます。現在の資格と異なる活動を始める場合、新しい活動を始める前に変更許可を受けます。
主な採用場面には次があります。
- 留学から技術・人文知識・国際業務
- 留学から特定技能1号
- 技能実習修了後の特定技能1号
- 特定技能1号から特定技能2号
- 特定技能外国人の転職
国内採用における特定技能の書類は特定技能の申請手順で確認し、本記事では変更申請に共通する在留状況の確認を扱います。
要件適合と変更の相当性が審査される
審査では、変更後の活動が在留資格に該当し、上陸許可基準がある資格では原則としてその基準へ適合することが必要です。そのうえで、在留状況、在留の必要性、相当性などが総合的に考慮されます。
入管庁のガイドラインは、考慮事項をすべて満たしても、他の事情を含む総合判断で不許可となる場合があると説明しています。書類の項目を埋めるだけでなく、学歴・職歴と業務、雇用条件、これまでの活動を一つの説明にします。
標準処理期間は1か月から2か月
入管庁が示す標準処理期間は1か月から2か月です。これは完了を保証する期限ではありません。不足資料、事実確認、繁忙期、個別事情により長くなる場合があります。
卒業や入社日の直前に始めず、内定後に必要書類、卒業見込み、試験結果、会社資料の準備を進めます。許可前に変更後の活動を開始できるとは限らないため、雇用契約の開始日には調整余地を持たせてください。
手数料は許可時に納付する
2026年7月29日時点で、2025年4月1日以降に受け付けた在留資格変更許可申請の手数料は、窓口申請が6,000円、オンライン申請が5,500円です。
「4,000円」とする案内は改定前の金額です。手数料は制度改正で変わる可能性があるため、申請日を基準に入管庁の料金表を確認してください。
留学から就労資格への変更
留学生を採用するときは、卒業・学位だけでなく、これまでの在籍と資格外活動を確認します。変更・更新のガイドラインは、除籍・退学後も在留を続けた留学生を消極的な要素の例に挙げ、公表された不許可事例にも、資格外活動許可を受けずに長期間稼働していた例があります。
企業は、成績・出席に関する資料、卒業見込み、アルバイト先と週の勤務時間、資格外活動許可、税・保険料の状況を本人の同意を得て確認します。技術・人文知識・国際業務では、学歴・職歴と予定業務の関連性も説明します。在留資格の一覧比較で業務範囲を先に判定してください。
留学から特定技能への変更
留学生が特定技能へ移る場合、技能・日本語試験等と受入企業の要件に加え、国税、地方税、国民健康保険、国民年金の納付状況を確認する資料が必要です。未納が判明すると、指導・助言や追加確認により審査へ時間を要することがあります。
試験合格だけで入社日を確定せず、特定技能の技能試験、分野別書類、支援計画、本人の在留・納付状況を並行して確認します。
技能実習から特定技能への変更
技能実習2号を良好に修了した人は、原則として職種を問わず日本語試験の証明が不要になり、移行する業務と実習の職種・作業に関連性があれば技能試験も免除されます(介護分野など一部に例外あり)。しかし、試験免除と変更許可は別です。
技能実習の修了見込み、評価調書等、移行先業務との対応、受入企業・分野の要件を確認します。実習終了後の空白期間や、必要書類が在留期間満了までにそろわない場合は、入管庁が案内する特定活動の対象となるかを個別に確認してください。
特定技能の転職にも変更許可が必要
特定技能外国人が所属機関を変更する場合は、同じ在留資格名のままでも在留資格変更許可申請が必要です。指定書に所属機関や分野等が記載されるためです。
新しい会社との契約を結んだだけでは、新しい就労先で働けません。変更許可を受ける前に新会社で就労を開始しないよう、退職日、申請日、許可見込み、入社日を調整します。単なる所属機関の届出だけで転職手続が終わると考えないでください。
短期滞在からの変更は原則認められない
短期滞在から他の在留資格への変更は、やむを得ない特別の事情に基づく場合でなければ許可されず、原則として認められません。日本にいる間に内定したという事情だけで、国内変更ができると予定しないでください。
通常は、在留資格認定証明書交付申請や在外公館での査証申請を含む手順を検討します。
企業側の事情も審査資料になる
就労資格への変更では、雇用する企業の事業実態、安定性、継続性、業務内容、報酬、法令遵守などを示す資料が必要です。求人票では専門業務としていたのに、申請書・組織図・現場説明では単純作業が中心になっているなど、資料間の矛盾は避けます。
企業規模や在留資格により提出書類は異なります。予定業務と申請資格の対応を具体的に説明してください。
オンライン申請では受付メールを携行する
オンラインで申請した場合、窓口申請と異なり、受付時に在留カード裏面へ「申請中」の印は押されません。申請中であることを証明するため、本人は在留カードに加え、申請受付番号等が記載された受付完了メールを携行する必要があります。
企業の担当者だけがメールを保管せず、申請完了後に本人へ渡し、携行方法を説明します。
申請前の確認表
- 変更後の業務が在留資格に該当するか
- 学歴・職歴・試験と業務の対応を説明できるか
- 出席、資格外活動、現在の就労に問題がないか
- 税・社会保険料の納付資料をそろえたか
- 会社資料と雇用条件・業務説明が一致するか
- 現在の在留期限と標準処理期間を確認したか
- 許可前に新しい活動を始めない日程か
在留期間更新は同じ活動を続ける手続です。活動・所属先の変更を伴う本申請と取り違えないでください。
FAQ
Q1. 在留資格変更許可申請はどのくらいかかりますか? → 標準処理期間は1か月から2か月です。追加資料や個別事情により長くなる場合があります。
Q2. 在留資格変更の手数料はいくらですか? → 2026年7月29日時点では、2025年4月1日以降の受付分について窓口6,000円、オンライン5,500円です。
Q3. 特定技能で転職するときも変更申請が必要ですか? → 必要です。所属機関を変更する場合は、同じ特定技能でも変更許可を受ける前に新会社で働けません。
Q4. 留学生が試験に合格すれば特定技能へ変更できますか? → 試験だけでは決まりません。受入要件、分野別書類、支援計画に加え、これまでの在留・納付状況も確認されます。
まとめ
在留資格変更許可申請では、新しい資格の要件だけでなく、これまでの在留状況と企業側の受入内容が総合的に確認されます。留学生の出席・資格外活動、税・社会保険、予定業務と会社資料の一致を申請前に確認してください。
標準処理期間は1か月から2か月ですが、入社日に間に合う保証ではありません。特定技能の転職も変更許可が必要で、許可前の新会社での就労はできません。本人と企業の書類を早い段階で一つの日程表にまとめます。