在留期間更新許可申請とは?3か月前から企業が準備すべきこと

目次
在留期間は自動で更新されません。6か月以上の在留期間がある人は、原則として満了日のおおむね3か月前から在留期間更新許可申請を行います。
申請者は外国人本人ですが、就労資格の申請書には所属機関が作成する部分があり、審査では雇用・労働条件、納税、公的保険、届出の履行も考慮されます。企業は期限と書類を本人任せにしないでください。
更新は本人申請が原則
在留期間更新許可申請の根拠は入管法第21条です。住居地を管轄する地方出入国在留管理官署へ、外国人本人が申請するのが原則です。
企業の職員が申請を取り次ぐには、申請等取次者としての承認が必要です。届出をした弁護士・行政書士なども取次ができます。企業は、所属機関作成用の申請書や雇用関係書類を期限内に本人へ渡します。
申請はおおむね3か月前から
6か月以上の在留期間がある場合、満了日のおおむね3か月前から申請できます。入院や長期出張など特別な事情がある場合は、それより前に受け付けられることがあります。
標準処理期間は2週間から1か月です。許可時の手数料は窓口申請6,000円、オンライン申請5,500円です。追加資料の提出期間なども考え、3か月前になった時点で準備を始めます。
満了日後も在留できる特例期間
満了日までに更新申請をして処分が出ていない場合は、処分時または満了日から2か月を経過する日のいずれか早い時まで、従前の在留資格で在留できます。従前の資格で認められた活動も続けられます。
満了日までに申請していなければ、この特例期間はありません。オンライン申請では在留カード裏面に申請中の記載がされないため、受付完了メールなどで申請中であることを確認します。在留カードの確認方法も社内で統一してください。
審査は事情を総合して判断される
入管庁の更新・変更許可ガイドラインは、次の事項を代表的な考慮要素としています。
- 現在の在留資格に該当する活動をしているか
- 素行が不良でないか
- 生計を維持できる資産または技能があるか
- 雇用・労働条件が適正か
- 納税義務などを履行しているか
- 入管法上の届出を履行しているか
一項目だけで機械的に決まるのではなく、在留状況や必要性などを総合して判断されます。健康保険証等を提示できないことだけで不許可になるわけではないことも、同ガイドラインに明記されています。
企業の違反が直ちに本人の不許可とは限らない
ガイドラインは、労働関係法規違反による勧告等が判明した場合でも、通常は申請者である外国人に責任がないため、その点を十分に考慮するとしています。
したがって、「会社に違反があれば必ず本人が不許可になる」とは断定できません。一方、雇用条件の不備、必要書類の不足、本人名義の税・保険料の未納を放置すれば審査上の説明が必要になります。企業は自社の義務と本人の公的義務を分けて点検します。
納税・社会保険を確認する
本人について、住民税の課税証明書・納税証明書、源泉徴収票などが必要になる申請があります。給与から住民税を特別徴収しているか、普通徴収の場合に納付状況を確認できるかを整理してください。
健康保険・厚生年金の適用事業所では、加入対象者を適切に加入させます。国民健康保険・国民年金の対象者は本人の納付状況を確認します。未納があれば放置せず、納付や分納相談など事実に即した対応を行います。
届出の未履行も確認する
就労資格の外国人には、所属機関との契約終了・新たな契約締結などを14日以内に届ける手続があります。在留カードの氏名、国籍・地域などの変更にも届出が必要です。
特定技能所属機関には企業側の届出もあります。受入れ困難に係る届出は事由発生から14日以内、定期届出は年1回、翌年5月31日までです。特定技能の届出と更新管理をつないでください。
特定技能1号は通算期間も管理する
特定技能1号の在留期間は、3年を超えない範囲で法務大臣が個々に指定する期間ですが、通算在留期間は原則5年以内です。更新を繰り返しても上限がなくなるわけではありません。
失業期間、再入国許可による出国期間、変更・更新申請中の特例期間は原則として通算に含まれます。産前産後休業・育児休業や一定の病気・けがによる休業など、届出等を条件に除外される期間もあります。入管庁の通算在留期間ページで個別に確認してください。
5年後の在留資格を早く決める
特定技能2号は11分野で、更新回数に上限がありません。1号に後から加わった7分野は2号の対象外で、介護も2号ではなく在留資格「介護」や経済連携協定の経路を検討します。
1号の残り期間が短くなってから試験や実務経験の準備を始めると間に合いません。採用時から、2号、在留資格「介護」、帰国などの見通しを本人と共有してください。
転職時は更新か変更かを分ける
特定技能で受入機関または分野を変更するときは、在留期間更新ではなく在留資格変更許可申請が必要です。同じ在留資格の範囲内で転職し、変更申請が不要な資格でも、所属機関に関する届出と満了日までの更新は別に必要です。
就労できる在留資格ごとに手続が異なるため、「転職ならすべて更新」と処理しないでください。
FAQ
Q1. 在留期間の更新は何か月前からできますか? → 6か月以上の在留期間がある人は、おおむね満了日の3か月前から申請できます。
Q2. 満了日を過ぎたら働けませんか? → 満了日までに更新申請をしていれば、処分時または満了日から2か月経過時のいずれか早い日まで、従前の活動を続けられます。
Q3. 会社の法令違反で必ず不許可になりますか? → 必ずとはいえません。入管庁は通常、会社の労働法令違反について外国人本人に責任がない点を考慮するとしています。ただし事情は総合判断されます。
Q4. 特定技能1号は5年を超えて更新できますか? → 原則できません。一定条件で通算から除外される期間はありますが、通常の更新を繰り返して5年を超えることはできません。
まとめ
在留期間更新はおおむね3か月前から申請し、標準処理期間は2週間から1か月です。満了日までに申請した場合は特例期間がありますが、申請を忘れた場合には適用されません。
企業は雇用条件、税・社会保険、届出、所属機関作成書類を確認します。特定技能1号では更新日だけでなく通算5年と、その後の在留資格まで管理してください。