特定技能「介護」とは?試験・人数上限・訪問介護の要件を解説

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特定技能「介護」では、分野固有の日本語試験、事業所ごとの人数上限、訪問系サービスの追加要件を確認する必要があります。また、介護は特定技能2号の対象外です。本記事では、受入企業が採用前に確認する試験、業務範囲、人数枠と、長期就労への道筋を整理します。
特定技能「介護」の基本
介護は特定技能1号の19分野のひとつで、所管は厚生労働省です。雇用形態は直接雇用で、原則フルタイム勤務が必要です。
在留期間は通算5年が原則で、家族帯同は基本的に認められません。2026年からは、5年目の介護福祉士国家試験で全パートを受験し、1パート以上の合格と合格基準点の8割以上の得点などの要件を満たした人について、最長1年延長できる措置があります。自動延長ではなく、本人の誓約、受入企業の学習計画、厚生労働省と入管庁への手続きが必要です。
原則として必要な3つの試験
試験で要件を満たす場合は、次の3つに合格します。
- 介護技能評価試験
- 国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験N4以上
- 介護日本語評価試験
介護日本語評価試験は、介護のことば、会話・声かけ、文書など現場固有の日本語を確認する試験です。この2試験は、試験問題の作成を厚生労働省が行い、実施と運営は同省が補助する試験実施事業者が担います。方式はCBTで原則毎月実施され、日程と申込みは同省の介護分野ページから案内される専用サイト(プロメトリック)で受け付けています。
試験免除は経歴で異なる
介護職種・介護作業の技能実習2号を良好に修了した人は、介護技能評価試験、一般の日本語試験、介護日本語評価試験が免除されます。
介護以外の職種で技能実習2号を良好に修了した人は、一般の日本語試験は免除されますが、介護技能評価試験と介護日本語評価試験への合格が必要です。
介護福祉士養成施設の修了者と、経済連携協定に基づく介護福祉士候補者として4年間の在留期間を満了した人も、3試験が免除されます。経歴ごとに提出書類が異なるため、申請前に介護分野の運用要領で確認してください。
従事できる業務
主な業務は、利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつなどの身体介護と、それに付随する支援です。レクリエーションの実施や機能訓練の補助も含まれます。
同じ業務に従事する日本人が通常行う関連業務には付随的に従事できますが、清掃や配膳などの関連業務だけを主な仕事にすることはできません。求人票、雇用契約、実際の配置を一致させます。
訪問介護は条件付きで可能
特定技能外国人は、2025年4月21日から一定の条件で訪問介護などの訪問系サービスに従事できます。対象者は、介護職員初任者研修課程などを修了し、原則として介護事業所等で1年以上の実務経験がある人です。
受入事業所は利用者・家族へ事前に書面を交付して説明し、署名を得たうえで、訪問系サービスの研修、一人で対応できるまでの責任者等による同行・訓練、本人の意向を確認したキャリアアップ計画、ハラスメント防止措置、緊急時の連絡体制を整えます。
従事前には、介護分野における特定技能協議会事務局(公益社団法人国際厚生事業団)へ必要書類を提出し(新規加入時は入会申請と同時、既存の構成員は対象者の受入れ前)、対象者ごとの適合確認書の発行を受けます。施設系と同じ準備だけでは足りません。
人数上限は事業所ごとに算定する
1号特定技能外国人の人数は、事業所ごとに「日本人等の常勤介護職員」の総数を超えられません。常勤換算数ではなく、介護等を主な業務とする常勤職員の人数で確認します。
ここでいう「日本人等」には、日本人のほか、在留資格「介護」で働く人、経済連携協定に基づく外国人介護福祉士、永住者・定住者など身分・地位に基づく在留資格の人が含まれます。1号特定技能外国人や技能実習生を分母に加えて枠を広げることはできません。
事務職員や、看護業務を行う看護師・准看護師は分母に含みません。一方、医療機関で看護師等の指導の下に療養生活上の世話を行う診療報酬上の看護補助者と、同一病棟でその指導を行う看護師・准看護師は算定基準に含まれます。複数事業所を運営する法人は、法人全体ではなく事業所ごとに確認します。
受入企業には分野固有の要件がある
受入企業は、地方出入国在留管理局へ在留諸申請を行う前に、介護分野における特定技能協議会の構成員となり、対象事業所が記載された入会証明書の発行を受けます。
特定技能1号の支援計画も必要です。自社で基準を満たして実施するか、登録支援機関に委託します。全部を委託しても、雇用契約、労務管理、協議会手続き、届出がなくなるわけではありません。
介護は特定技能2号の対象外
特定技能2号は11分野で、介護は対象外です。介護は、制度拡大前の12分野のうち唯一2号の対象にならなかった分野であり、後から1号に加わった7分野も2号の対象外です。
そのため、介護では「1号から2号へ移行して長期雇用」という設計はできません。原則5年の間に、本人の希望と適性を踏まえて別の長期就労ルートを検討します。
長期就労は在留資格「介護」へ
日本の介護福祉士資格を取得し、介護または介護の指導を行う契約を結んだ人は、在留資格「介護」への変更を申請できます。資格の取得経路は問われないため、特定技能から実務経験を積んで国家試験に合格した人も対象です。
在留資格「介護」は5年、3年、1年または3か月ごとに更新でき、更新回数の上限はありません。要件を満たせば、配偶者と子を家族滞在で呼ぶこともできます。
実務経験ルートで国家試験を受けるには、実務経験や実務者研修などの受験資格を満たす必要があります。受入初年度から、勤務と日本語学習、実務者研修、国家試験対策を逆算して設計します。
受入れ前に確認したい3つの点
1つ目は人数上限です。採用を進めてから枠に収まらないと分かると、計画の見直しが必要になります。
2つ目は5年の上限からの逆算です。介護福祉士の実務経験ルートは受験資格を満たすまでに時間がかかるため、受入れ初年度から準備します。
3つ目は日本語教育です。介護日本語評価試験に合格していても、方言、高齢者特有の言い回し、記録書式には職場での教育が必要です。
よくある質問
Q1. 特定技能外国人を何人まで受け入れられますか? → 事業所ごとの日本人等の常勤介護職員数が上限です。常勤換算ではなく、介護等を主業務とする常勤職員の人数で確認し、1号特定技能外国人や技能実習生は分母に含めません。
Q2. 訪問介護に配置できますか? → 条件付きで可能です。初任者研修課程等の修了、原則1年以上の実務経験、研修・同行・緊急連絡体制などを整え、従事前に適合確認書の発行を受けます。
Q3. 特定技能「介護」から2号へ移行できますか? → できません。介護福祉士資格を取得し、業務と契約の要件を満たして在留資格「介護」へ変更するのが長期就労の主な道筋です。
Q4. 介護以外の技能実習2号修了者も3試験すべて免除されますか? → いいえ。一般の日本語試験は免除されますが、介護技能評価試験と介護日本語評価試験には合格する必要があります。
まとめ
介護分野の受入れでは、3試験と免除要件、事業所単位の人数上限、協議会加入を先に確認します。訪問系サービスに配置する場合は、研修や同行の体制を整え、適合確認書を受けてから従事させます(訪問入浴介護など一部のサービスは適合確認の対象外です)。
長期雇用を目指すなら、2号ではなく介護福祉士資格と在留資格「介護」への変更が基本です。受入初年度から国家試験までの学習・勤務計画を組んでください。