分野別ガイド

特定技能「建設」とは?受入計画の認定・JAC加入・月給制の要件を解説

建設分野で特定技能1号を受け入れるには、入管庁への在留諸申請に加え、国土交通省による受入計画の認定、業界団体への加入、月給制、建設キャリアアップシステムへの登録が必要です。手続きは並行できますが、国土交通省の認定が出るまで在留資格の許可は出ません。雇用開始日から逆算して準備しましょう。

建設分野の1号にある上乗せ要件

建設分野の特定技能1号には、主に次の上乗せ要件があります。

  • 建設特定技能受入計画の認定
  • 一般社団法人建設技能人材機構への加入
  • 月給制による安定的な報酬支払い
  • 建設キャリアアップシステムへの登録

いずれもほかの特定産業分野には課されていない要件です。入管庁の手続きだけで完結すると考えていると、認定が下りずに採用が止まります。

さらに、受入企業は建設業法第3条の建設業許可を受けている必要があります。軽微な工事だけを請け負い、通常は許可が不要な事業者でも、何らかの建設業許可が必要です。

建設特定技能受入計画の認定

受入企業は外国人就労管理システムで、国土交通省へ建設特定技能受入計画を申請します。計画では、1号ごとの業務区分、就労場所、報酬予定額、昇給、安全衛生と技能習得、雇用条件などを確認されます。

国土交通省の案内では、認定までの目安は1か月半〜2か月程度で、書類の補正期間は含みません。地方によってはさらに長くかかります。

国土交通省と入管庁への申請は並行できます。ただし、受入計画認定証は在留諸申請の添付書類なので、認定前に在留資格の許可は出ません。「国交省の認定後でなければ入管申請を出せない」という意味ではない点に注意してください。

建設分野には人数枠がある

建設分野の分野別運用方針では、特定技能1号で受け入れる外国人の数が、受入企業の常勤職員の総数を超えないことが条件です。この常勤職員数からは、技能実習生、育成就労外国人、1号特定技能外国人が除かれます。2027年4月の育成就労制度施行後は、優良な育成就労実施者に該当する受入企業が例外とされます。

除外対象を差し引いた常勤職員が5人の会社なら、1号は最大5人です。数え方は法人か個人事業か、社会保険や雇用保険の加入状況によって基準が異なるため、人数計画の前に国土交通省の建設分野Q&Aで確認してください。

JACへの正しい加入方法

JACは一般社団法人建設技能人材機構の略称です。受入企業には次の2つの加入経路があります。

  1. JACの正会員である建設業者団体の会員になる
  2. 受入企業がJACの賛助会員として直接加入する

登録支援機関のJAC加入は任意です。

JACが公表する現行額では、受入負担金は1号1人につき月額1万2,500円、直接加入する受入企業の賛助会員年会費は24万円です。正会員団体の傘下企業はJAC年会費を負担しませんが、所属団体独自の会費がかかる場合があります。採用費用には、加入経路に応じた会費と受入負担金を分けて計上してください。

月給制と報酬の要件

建設分野では、1か月単位で基本給を定める月給制が必要です。残業代や休日出勤手当は別に加算します。

本人都合の欠勤分を基本給から控除することは差し支えなく、「日給月給」という社内名称だけで直ちに不可とは限りません。ただし、天候や会社都合で現場が止まった日を欠勤扱いにして基本給を減らす設計は認められません。使用者の責任による休業には休業手当も必要です。

報酬は同等の技能を持つ日本人と同等以上で、技能実習時の報酬を上回るよう設定します。技能の習熟に応じた年1回以上の昇給と預貯金口座への振込みも、受入計画で確認されます。

CCUSは企業と本人の両方が登録

建設キャリアアップシステムは、受入企業の事業者登録と外国人本人の技能者登録の両方が必要です。

企業の事業者登録は認定申請前に完了させます。国内在留者は原則として認定申請時までに技能者登録を行い、海外から入国する人は原則として入国後1か月以内に受入報告とカードの写しを提出します。技能者番号が間に合わない場合の取扱いもあるため、未登録のまま放置せず手引きに従って報告します。

建設分野の3業務区分

1号・2号の業務区分は次の3つです。

  • 土木
  • 建築
  • ライフライン・設備

1号では、業務区分に対応する建設分野特定技能1号評価試験または技能検定3級等への合格が必要です。日本語はJFT-Basicまたは日本語能力試験N4以上で確認します。対応する建設職種・作業の技能実習2号を良好に修了すれば、試験が免除されることがあります。

複数区分の業務を行わせる場合は、区分ごとに試験合格または免除要件を確認します。技能実習から特定技能への移行では、修了した職種・作業と希望区分の対応表が重要です。

特定技能2号の要件

建設分野の2号では、各区分に対応する建設分野特定技能2号評価試験、技能検定1級または単一等級のいずれかと、班長としての実務経験が必要です。

実務経験は、建設現場で複数の技能者を指導しながら作業し、工程を管理した経験です。必要な就業日数は職種の能力評価基準により異なり、一律の年数ではありません。対応する能力評価基準がない場合は、職長・班長として3年、勤務日数645日以上が必要です。

2号への変更申請は入管庁に行い、国土交通省への提出書類はありません。1号の上乗せ手続きと2号移行手続きを混同しないようにします。

受入れ準備の順序

  1. 建設業許可、月給制、報酬と昇給制度を確認する
  2. 常勤職員数を確定し、受入れ可能な人数の上限を把握する
  3. JAC正会員団体への加入またはJAC賛助会員への加入を完了する
  4. 企業のCCUS事業者登録と本人の技能者登録を進める
  5. 雇用条件を説明し、建設特定技能受入計画を申請する
  6. 入管庁へ在留諸申請を行う

5と6は並行できます。国土交通省は、技能実習から継続移行する人は実習修了日の6か月前、それ以外は雇用開始日の概ね6か月前から受入計画を申請できると案内しています。

FAQ

Q1. 受入計画の認定前に入管申請を出せますか? → 並行申請は可能です。ただし認定証が添付書類となるため、認定されるまで在留資格の許可は出ません。

Q2. 日給月給制は一律に不可ですか? → 名称ではなく実態で判断します。1か月単位の基本給があり、本人都合の欠勤控除に限る設計は可能です。天候や会社都合の休業を欠勤扱いにして基本給を減らすことは認められません。

Q3. 受入企業はJACの正会員になりますか? → 通常は、JAC正会員である建設業者団体の会員になるか、JACの賛助会員として直接加入します。

Q4. 何人まで受け入れられますか? → 1号の人数が、技能実習生・育成就労外国人・1号特定技能外国人を除く常勤職員の総数を超えない範囲です。育成就労制度施行後は、優良な育成就労実施者に例外があります。

Q5. CCUSは外国人本人だけ登録すればよいですか? → いいえ。受入企業の事業者登録と、外国人本人の技能者登録の両方が必要です。

まとめ

建設分野の1号受入れでは、国土交通省の受入計画認定、JAC加入、月給制、CCUS登録が重要です。特にJACの加入区分と日給月給制の実態は誤解されやすいため、名称だけで判断しないでください。

人数は常勤職員数で上限が決まり、受入計画の認定目安は補正期間を除いて1か月半〜2か月です。建設業許可、給与制度、JAC、CCUSを先に確認し、国土交通省と入管庁への申請を適切に並行させることが、雇用開始の遅れを防ぎます。

参考リンク

外国人材の日本語教育を、AIで

資料請求・お問い合わせ