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特定技能「林業」とは?対象業務と受入企業の安全教育要件を解説

特定技能「林業」で企業が最初に確認すべきなのは、安全に受け入れられる事業体かです。協議会加入には事業体の資格と安全対策が求められます。

林業分野は2024年に追加された

林業は、2024年3月29日の閣議決定で特定技能の対象分野に追加され、同年9月30日に運用が始まりました。2026年に初めて加わった分野ではありません。

対象は特定技能1号だけです。林業は特定技能2号の11分野に含まれないため、林業分野の1号として働ける期間は通算5年が上限です。

主たる業務は育林・素材生産・育苗・製炭

林野庁の手引きは、主たる業務を次のように整理しています。

  • 育林
  • 素材生産
  • 林業用種苗の育成
  • 原木生産を含む製炭作業

植栽や下刈り、立木の伐採や搬出だけが対象ではありません。一方、製材工場での木材加工を主業務にする場合は木材産業分野との区別が必要です。雇用契約書には担当させる主たる業務を具体化してください。

関連業務だけに従事させることはできない

林業に従事する日本人が通常行う関連業務には、林内での林産物の製造・加工、機器や工具の保守、資材の運搬、事業所の清掃、冬季の除雪などが例示されています。ただし認められるのは、主たる業務に付随して行う場合です。

除雪や運搬だけを継続的に担当させる運用はできません。季節ごとの作業計画を作り、主業務と関連業務の関係を説明できるようにしておく必要があります。

直接雇用が原則、請負先での作業は可能

林業分野では派遣による受入れは認められず、受入企業との直接雇用が必要です。一方、森林組合などが森林所有者から請け負った林業作業に、雇用する特定技能外国人を従事させることはできます。複数の森林所有者から請け負った現場を担当させる形も可能です。

作業を指示するのは雇用主であり、発注者である森林所有者ではありません。 指揮命令系統を曖昧にすると、請負と派遣の線引きが崩れます。

林業技能測定試験は実施要領が公表済み

試験ルートでは、林業技能測定試験と日本語試験への合格が必要です。技能試験は学科と実技で構成され、学科は林業全般・安全衛生の知識と業務に必要な日本語、実技は林業作業の技能を確認します。林野庁は試験実施要領を公表し、実施機関として一般社団法人林業技能向上センターを案内しています。試験制度は準備中の段階ではありません。 なお、2026年1月23日の分野別運用方針では試験名が「林業特定技能評価試験」となり、技能検定(林業職種)3級も技能水準に加わっています。

林野庁の手引きでは、受験資格としてチェーンソーによる伐木等の特別教育の要件を満たす講習の受講も示されています。合格通知と講習の受講状況を確認してください。

日本語要件と技能実習からの移行

日本語能力はA2.2相当以上が基準で、国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上などで確認します。詳しくは特定技能の日本語要件も参照してください。

関連性が認められる林業職種の技能実習2号を良好に修了した人は、技能試験と日本語試験が免除されます。それ以外の職種で技能実習2号を良好に修了した人は日本語試験のみ免除され、林業技能測定試験への合格が必要です。「技能実習2号修了者は全員、両試験が免除」とは限りません。

協議会加入は在留資格申請の前に行う

受入企業は「林業特定技能・育成就労協議会」の構成員になる必要があります。林野庁の案内では、加入通知書の送付は通常、申請からおおむね10営業日で、入会費や年会費はかかりません。

登録支援機関は協議会への加入対象ではありません。ただし支援計画の全部または一部を委託する場合、受託する登録支援機関には協議会の調査などへの協力が求められます。登録支援機関への委託だけで、受入企業自身の加入義務がなくなるわけではありません。

受入企業には事業体としての資格がある

育林・素材生産を行う受入企業は、原則として次のいずれかに該当する必要があります。

  • 林業労働力の確保の促進に関する法律に基づく認定事業主
  • 森林経営管理法に基づき都道府県知事が公表した民間事業者

林業用種苗の育成または製炭だけに従事させる場合は別の扱いがあり、必要な労働安全確保措置を講じていることが要件です。採用活動を始める前に、自社がどの業務類型で協議会資格を得るのかを確認してください。

安全教育は本人が理解できる方法で行う

厚生労働省の2025年確定値では、林業の労働災害による死亡者は25人で、そのうち事故の型が「激突され」のものは16人でした。林業の安全対策は、書類上の注意事項ではなく採用可否を左右する前提です。

協議会は、チェーンソーで伐木させる場合に安全な伐木方法、緊急時の連絡体制、その他必要な事項を指導・教育するよう定めています。さらに厚生労働省は、外国人への安全衛生教育を本人が理解できる方法で行うよう求め、多言語の視聴覚教材も提供しています。

日本語試験に合格していても、危険予知や退避の指示が現場で通じるとは限りません。 教材を見せて終えるのではなく、本人に作業手順を説明してもらい、緊急停止の合図に反応できるかまで確認してください。やさしい日本語も安全指示の統一に活用できます。

育成就労は対象、特定技能2号は対象外

林業は2027年4月1日に始まる育成就労制度の対象です。将来は育成就労から特定技能1号へ移る経路が想定されます。ただし、林業分野の育成就労に関する資料は2026年7月時点でも更新中です。

受入計画では、育成就労の確定済み事項と今後の更新事項を分けてください。また、育成就労の対象であることと特定技能2号へ進めることは別です。林業は現在、2号の対象ではありません。

受入れ前の確認項目

採用候補者を決める前に、次の順で確認してください。

  1. 自社の事業と担当作業が林業分野の主たる業務に該当するか
  2. 協議会の構成員資格を満たし、加入通知書を取得できるか
  3. 試験合格または技能実習修了による免除の範囲を確認したか
  4. 現場の指揮命令者と緊急連絡体制を決めたか
  5. 本人が理解できる言語と教材で安全教育を実施できるか

1と2を採用後に確認すると、在留資格申請の直前に受入れ不能と判明するおそれがあります。

FAQ

Q1. 特定技能「林業」はいつ追加されましたか? → 2024年3月29日の閣議決定で追加され、同年9月30日に運用が始まりました。2026年に新設された分野ではありません。

Q2. 特定技能外国人を林業の現場へ派遣できますか? → できません。受入企業との直接雇用が必要です。雇用主が請け負った複数の現場で作業させることはできますが、指揮命令は雇用主が行います。

Q3. 林業技能測定試験はまだ準備中ですか? → 林野庁は実施要領と実施機関を公表済みです。具体的な日程や会場は、実施機関の最新案内で確認してください。

Q4. 林業は特定技能2号や育成就労の対象ですか? → 特定技能2号の対象ではありません。育成就労の対象には含まれ、2027年4月1日の運用開始が予定されています。

まとめ

特定技能「林業」の受入れでは、業務該当性、協議会資格、試験、安全教育を一体で確認する必要があります。林業は2024年に追加され、試験実施要領も公表済みですが、2号の対象ではありません。

最大の実務論点は安全です。認定事業主などの協議会資格を確認し、母国語や視聴覚教材も使って、作業手順と緊急時対応を本人が実行できる状態にしてから現場へ配置してください。

参考リンク

外国人材の日本語教育を、AIで

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