分野別ガイド

特定技能「工業製品製造業」とは?17業務区分と2号の3区分を解説

「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」で特定技能を調べている場合、現在の分野名は工業製品製造業です。名称が変わっただけでなく、1号の業務区分は17に増えています。

一方、特定技能2号へ移行できるのはそのうち3区分だけです。1号になればどの業務からでも2号へ進めるわけではありません。 さらに、受入れの前に経済産業大臣の登録を受けた法人へ加入する必要があります。分野名、事業所、業務区分、将来の在留ルートを分けて確認してください。

現在の正式名称は工業製品製造業

1号・2号とも正式な分野名は「工業製品製造業」です。旧3分野は2022年に「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」へ統合され、2024年3月29日の閣議決定で現在の名称へ改める方針が決まりました。省令と運用要領への反映は2024年9月30日です。

古い合格証や解説サイトには旧称が残っています。検索語として旧称を案内するのは構いませんが、申請書や雇用条件の説明では現在の名称と区分を使います。

1号には17の業務区分がある

分野別運用方針の別表に定められた1号の業務区分は次の17区分です。

  1. 機械金属加工
  2. 電気電子機器組立て
  3. 金属表面処理
  4. 紙器・段ボール箱製造
  5. コンクリート製品製造
  6. RPF製造
  7. 陶磁器製品製造
  8. 印刷・製本
  9. 紡織製品製造
  10. 縫製
  11. 電線・ケーブル製造
  12. プレハブ住宅製品製造
  13. 家具製造
  14. 定形・不定形耐火物製造
  15. 生コンクリート製造
  16. ゴム製品製造
  17. かばん製造

11から17までの7区分は2026年1月の閣議決定で追加されたものです。 区分名が自社の呼び方と一致しないことは珍しくありません。作業名だけで決めず、経済産業省が示す業務区分と自社の製造品・工程を照合してください。

2号へ移行できるのは3区分だけ

2号の対象は機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理の3区分です。紙器・段ボール箱製造以降の14区分は、2026年7月29日時点で2号の対象ではありません。

特に電線・ケーブル、家具、耐火物、生コンクリート、ゴム製品、かばんなど後から加わった区分を、同じ分野名だからという理由で2号対象と判断しないでください。特定技能の19分野一覧では分野単位の対象を、本記事では分野内の区分差を確認します。

2号は試験2つと3年以上の実務経験が要件

2号の技能水準は、「製造分野特定技能2号評価試験」と「ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション)」の両方に合格するか、対象作業の技能検定1級に合格することです。評価試験だけでは足りません。

加えて、日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場で、自らの判断で業務を遂行できる能力を要する業務に従事した実務経験が必要で、運用要領別冊では3年以上とされています。日本語能力はB1相当以上です。試験制度の全体像は特定技能の技能試験で確認できます。

対象になるかは事業所単位で決まる

製造業の会社でも、すべての拠点が対象になるとは限りません。判定は法人単位ではなく、特定技能外国人が働く事業所が対象の日本標準産業分類の産業を行っているかで決まります。対象は告示で列挙されており、1号は76分類、2号は46分類です。

「その産業を行っている」とは、その事業所において直近1年間に製造品出荷額等が発生していることを指します。製造品出荷額と加工賃収入額の合計です。本社の事務部門、物流だけの倉庫、修理だけの拠点は該当しない可能性が高く、申請前に直近の実績資料をそろえてください。

受入れの前に受入事業実施法人へ加入する

工業製品製造業では、特定技能外国人を受け入れるすべての事業所が、経済産業大臣の登録を受けた特定技能外国人受入事業実施法人に加入する必要があります。現在登録されているのは一般社団法人工業製品製造技能人材機構です。

加入は在留諸申請のに済ませ、地方出入国在留管理局への申請時に構成員であることの証明書を提出します。協議・連絡会に申し込めばよいと考えていると、申請時に添付書類が足りません。 生産性向上と国内人材確保の取組についても、この法人の確認を受けます。特定技能外国人の採用手順と並行して担当者と期限を決めてください。

産業によっては協議会の決定事項が上乗せされる

製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会は、受入企業が個別に入会する窓口ではなく、分野の決定事項を定める場です。ただし事業所の産業が繊維工業、印刷・同関連業、こん包業に当たる場合は、協議が調った事項に関する措置を講じることが受入れの条件になります。

繊維工業では、国際的な人権基準への適合、勤怠管理の電子化、パートナーシップ構築宣言の実施、特定技能外国人の給与を月給制とすることが求められます。印刷・同関連業とこん包業では、指定された工業組合連合会への所属が求められます。

関連業務への専従はできない

分野別運用方針が例示する関連業務は、原材料・部品の調達・搬送作業、各業務の前後工程作業、クレーンやフォークリフト等の運転作業、清掃・保守管理作業などです。付随的に従事するのは差し支えありませんが、対象区分の主たる業務を行わず梱包や運搬だけを担当させることはできません。

なお雇用形態は直接雇用に限られます。求人票と雇用条件書には社内の職種名だけでなく、対象区分の主たる作業を具体的に書いてください。

採用前に4層で判定する

  1. 分野:工業製品製造業に当たるか
  2. 事業所:対象産業分類に該当し、直近1年間の製造品出荷額等があるか
  3. 業務区分:本人の作業と試験・技能実習歴が一致するか
  4. 将来経路:2号対象の3区分か

1号の採用可否と2号への移行可否を同じ欄で判定しないことが重要です。在留資格ごとの期間や支援の違いは特定技能制度の概要も参照してください。

FAQ

Q1. 素形材産業の特定技能は廃止されたのですか? → 対象がなくなったのではなく、製造3分野の統合と改称を経て現在は「工業製品製造業」に含まれます。申請では現在の名称と区分を使います。

Q2. 工業製品製造業の1号は全員2号へ移行できますか? → いいえ。2号の対象は機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理の3区分だけです。

Q3. 受入企業はどこに加入すればよいですか? → 経済産業大臣の登録を受けた特定技能外国人受入事業実施法人です。在留諸申請の前に加入し、構成員であることの証明書を申請時に提出します。

Q4. 製造会社なら特定技能外国人を受け入れられますか? → 会社の業種では決まりません。就労する事業所が対象産業分類に該当し、直近1年間に製造品出荷額等が発生しているかを確認します。

まとめ

現在の正式名称は1号・2号とも「工業製品製造業」です。1号は17業務区分に広がり、うち7区分は2026年1月の追加ですが、2号へ進めるのは機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理の3区分に限られます。

採用時は、事業所の産業分類と直近の製造実績、本人の作業と試験区分を照合し、在留申請の前に受入事業実施法人へ加入してください。2号を想定するなら、試験2つと3年以上の実務経験を配属時から逆算します。

参考リンク

外国人材の日本語教育を、AIで

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