特定技能「航空」とは?2つの業務区分と2号・育成就労との違いを解説

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特定技能「航空」には、空港グランドハンドリングと航空機整備の2区分があります。どちらも1号から2号へ進めますが、受入企業の要件と2号で求められる経験は別です。また、航空は2027年4月に始まる育成就労の対象ではありません。採用時には担当業務だけでなく、長期育成の入口まで区別して設計する必要があります。
航空分野は2つの業務区分に分かれる
| 区分 | 1号で従事する主な業務 |
|---|---|
| 空港グランドハンドリング | 航空機の地上走行支援、手荷物・貨物の取扱いと搭降載、航空機内外の清掃整備、旅客対応、機内食等の運搬・搭降載、航空燃料の取扱い |
| 航空機整備 | 運航整備、機体整備、装備品・原動機整備など、機体・装備品・部品の整備 |
1号の空港グランドハンドリングは、社内資格等を持つ指導者やチームリーダーの指導・監督下で行います。航空機整備も、整備の基本技術を持つ人が国家資格整備士等の指導・監督下で従事する位置づけです。
関連業務だけを担当させることはできない
対象業務に従事する日本人が通常行う事務、作業場所の整理・清掃、除雪などには付随的に従事できます。ただし、関連業務だけに専ら従事させることは認められません。
たとえば「航空分野で採用したから、空港内のあらゆる仕事を任せられる」という制度ではありません。雇用条件書と実際の勤務表を区分の対象業務に合わせてください。特定技能の対象分野と業務区分も併せて確認できます。
受け入れられる企業にも区分別の条件がある
空港グランドハンドリングで受け入れる企業は、空港管理規則やこれに相当する規程に基づき、空港管理者から営業を認められ、同業務を営む者(航空運送事業者を含む)であることが原則です。
航空機整備では、航空法第20条第1項第3号、第4号または第7号の能力について国土交通大臣の認定を受けた者か、その者から業務委託を受けた者である必要があります。求人職種が一致しても、会社側の承認・認定等が要件を満たさなければ受け入れられません。
1号は技能試験とA2.2相当以上の日本語が基本
本人は、希望する区分に対応する航空分野特定技能1号評価試験に合格するのが基本です。日本語は「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上で、国際交流基金日本語基礎テストのA2.2相当以上または日本語能力試験N4以上が例示されています。
技能実習2号を良好に修了した人は、修得した技能と就労予定業務の関連性により、技能・日本語試験の証明が免除される場合があります。技能実習を修了したという事実だけで技能試験の免除を決めず、最新の対応表を作業単位で確認してください。 試験免除の考え方は特定技能の試験と免除条件で整理しています。
2号では区分ごとに異なる実務経験が必要
2号は試験だけでは足りません。
- 空港グランドハンドリング:2号評価試験の合格に加え、現場で技能者を指導しながら作業に従事した経験が必要
- 航空機整備:2号評価試験の合格、または対象となる航空従事者技能証明に加え、専門的な知識・技量を要する整備作業に従事した3年以上の経験が必要
グランドハンドリングの経験に一律の年数は示されていません。安全管理規定を理解し、作業資格等を得たうえで新入社員等を指導した経験であることが示されています。企業は本人から求められたとき、航空分野の実務経験を証明する書面を交付しなければなりません。
2号の日本語B1相当は適用時期に注意する
2026年1月の分野別運用方針は、2号に「日本語教育の参照枠」のB1相当以上を定めています。一方、2026年7月17日改正の運用要領別冊は、この要件を2027年4月1日以降に求め、具体的な取扱いは別途知らせるとしています。
同要領が挙げる日本語能力試験N3以上も、成績上B1相当と判定された場合に限るという書き方です。N3合格だけで要件を満たすと決めず、2号申請時の最新資料を確認してください。特定技能の日本語要件も参照できます。
航空は育成就労の対象外
育成就労産業分野は17分野ですが、航空と自動車運送業には育成就労産業分野が設定されていません。 したがって、航空業務で育成就労の3年間を経て特定技能1号へ移る採用経路は使えません。
航空分野で長期採用を計画する企業は、特定技能1号の試験合格者や免除対象者を入口とし、社内資格、指導経験、日本語を2号へ向けて積み上げる必要があります。育成就労制度の全体像と混同しないようにしてください。
協議会には在留諸申請の前に加入する
受入企業は、本人の在留諸申請前に航空分野特定技能協議会へ加入します。会費は不要です。加入後に別の業務区分でも受け入れる場合は、改めて届出書と証明発行申請書を提出します。
1号支援計画の全部を登録支援機関へ委託する場合、その登録支援機関も対象者の在留諸申請前に協議会加入が必要です。一部委託とは区別してください。協議会と国土交通省による調査・指導への協力も受入基準です。
雇用は直接雇用が基本で在籍型出向の仕組みもある
労働者派遣は認められていません。分野別運用方針は、航空分野の事業者による直接雇用に加え、同時に航空分野の2事業者を所属機関とする在籍型出向を位置づけています。
在籍型出向は、安定した業務委託等の関係がある機関間で、同じ業務区分の技能を高めるために行う仕組みで、1号の出向期間は1年につき通算4か月以内です。通常の人員融通として扱わず、出向元・出向先双方の要件と申請書類を国土交通省に確認してください。
採用前に確認する項目
- 実際の主業務を2区分のどちらにするか
- 受入企業が区分固有の承認・認定等を満たすか
- 本人の技能試験、日本語試験または免除資料が揃うか
- 2号を見据えた作業資格・指導経験・日本語教育を記録できるか
- 受入企業と、全部委託先の登録支援機関が申請前に協議会へ加入したか
空港では安全に関する指示を短時間で正確に共有する必要があります。試験合格だけで現場の理解力を判断せず、配属前教育と継続的な職場の日本語教育を計画してください。
FAQ
Q1. 特定技能「航空」で旅客対応だけを任せられますか? → 旅客ハンドリングは空港グランドハンドリング区分の対象です。ただし本人の業務全体が同区分の主たる業務として成立しているか、雇用条件と勤務実態で確認します。
Q2. 航空分野は特定技能2号へ移行できますか? → できます。両区分が2号の対象ですが、区分別の試験・資格に加えて所定の実務経験が必要です。
Q3. 航空分野で育成就労外国人を受け入れられますか? → 受け入れられません。航空には育成就労産業分野が設定されておらず、特定技能だけが対象です。
Q4. 登録支援機関も航空分野特定技能協議会へ加入しますか? → 1号支援計画の全部の実施を受入企業から委託される場合は、対象者の在留諸申請前に加入が必要です。
まとめ
特定技能「航空」は、空港グランドハンドリングと航空機整備の2区分です。受入企業の条件も、2号で必要な実務経験も区分ごとに異なります。特に航空機整備の2号には専門的な整備作業の3年以上の経験が必要です。
航空には育成就労が設定されていないため、1号採用後の資格取得、指導経験、日本語教育を2号まで一続きで設計してください。協議会加入は、受入れ後ではなく在留諸申請前です。