在留資格「特定活動」とは?企業が指定書で確認する就労範囲

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在留資格「特定活動」で外国人を雇用できるかは、資格名だけでは判断できません。特定活動は、法務大臣が外国人ごとに活動を指定する在留資格だからです。企業は、在留カードの就労制限欄に加えて、旅券に添付された指定書を必ず確認します。同じ「特定活動」でも、就労できる人、資格外活動許可が必要な人、就労できない人がいます。
特定活動は一つの職種を表す在留資格ではない
就労できる在留資格の一覧では、多くの資格が活動類型を名称で示します。一方、特定活動は「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」を受け入れるための枠です。
出入国在留管理庁は、ワーキング・ホリデー、経済連携協定に基づく看護師・介護福祉士候補者、インターンシップ、本邦大学等卒業者、継続就職活動、特定技能1号への移行準備など、多様な活動を案内しています。「特定活動=就労資格」でも「特定活動=就労不可」でもありません。
在留期間は5年、3年、1年、6か月、3か月、または5年を超えない範囲で個別に指定された期間です。ただし、採用できる期間は在留期限だけでなく、指定された活動期間や雇用契約の条件にも左右されます。
最優先で確認するのは指定書
在留カード表面の「就労制限の有無」欄に「指定書により指定された就労活動のみ可」とある場合、法務大臣が個々に指定した活動を記載する指定書を確認します。指定書は通常、旅券に添付されています。
指定書では、少なくとも次の点を雇用条件と照合します。
- 就労が認められている活動か
- 職務内容や業務分野が求人と一致するか
- 勤務先や受入機関が個別に指定されているか
- 活動できる期間や条件があるか
指定書の写しを本人の同意を得て保管し、確認日と確認者を記録すると、配置変更時にも照合できます。在留カードの確認方法だけで判断を終えないことが重要です。
就労可否は3つに分けて考える
特定活動の就労可否は、実務上、次の3つに分けると整理しやすくなります。
| 状態 | 企業が確認するもの |
|---|---|
| 指定された就労活動ができる | 在留カード、指定書、雇用条件 |
| 本来の活動は就労ではないが、資格外活動が許可されている | カード裏面、資格外活動許可書、時間・業務の条件 |
| 就労が認められていない | 雇用を開始せず、必要な在留手続を確認 |
たとえば継続就職活動の特定活動は、就職活動そのものが目的です。一定の人は資格外活動の包括許可を受ければ原則1週28時間以内で働けますが、「特定活動だから28時間働ける」のではありません。 許可の有無と内容が先です。
資格外活動許可には、勤務先等を指定する個別許可もあります。資格外活動許可の確認に沿って、裏面の記載だけで足りるか、別紙の許可書が必要かを確認します。
企業採用で出会う主な特定活動
企業や支援機関が扱う例には、次のようなものがあります。
- 経済連携協定に基づく看護師・介護福祉士と候補者
- 日本の大学等を卒業した留学生の継続就職活動
- 内定後、就職開始までの滞在
- 本邦大学等卒業者として日本語を用いる幅広い業務に従事する活動
- 特定技能1号への移行準備
- 自動車運送業で日本の運転免許取得等を行う準備活動
名称が似ていても要件は別です。たとえば「継続就職活動」と「本邦大学等卒業者」は、前者が就職先を探す活動、後者が一定の学歴・日本語能力等を満たして就労する活動です。指定書と出入国在留管理庁の該当案内を対応させてください。
特定技能への移行準備は予定業務だけ
申請書類の準備が間に合わない等の事情がある場合、特定技能1号への移行を前提とする特定活動が認められることがあります。また、自動車運送業には、日本の運転免許取得や新任運転者研修のための専用の準備活動があります。
これらは、一般的な就労を広く認める資格ではありません。予定する特定技能の業務、受入企業、報酬等の条件に沿って活動します。準備活動が許可されたことだけを理由に、別分野や別会社の仕事へ配置しないでください。特定技能へ移る段階では、在留資格変更許可申請が必要です。
配置転換や転職では再確認が必要
指定書が勤務先や活動内容を個別に定めている場合、部署名だけの変更でも実際の業務が範囲を外れることがあります。本人が転職する場合も、新しい勤務先で同じ指定内容のまま働けるとは限りません。
採用時だけでなく、次の時点で指定書を見直します。
- 雇用契約を更新するとき
- 職務内容・勤務場所・勤務時間を変えるとき
- 在留期間を更新するとき
- 資格外活動許可の期限や内容が変わったとき
範囲外となる可能性がある場合は、勤務を先に始めず、在留資格変更、在留期間更新、資格外活動許可等のどの手続が必要かを地方出入国在留管理官署へ確認します。
採用時の確認手順
- 在留カードの氏名、在留資格、在留期限を確認する
- 「就労制限の有無」欄を確認する
- 旅券に添付された指定書を確認する
- 資格外活動で働く場合は、カード裏面と許可書を確認する
- 求人票・雇用契約書・配属先を指定内容と照合する
- 在留カード番号の失効情報も確認する
- 雇入れ後に外国人雇用状況の届出を行う
在留カード番号が有効でも、券面や指定書の内容と求人が一致する証明にはなりません。確認結果は外国人雇用の届出と一緒に管理します。
FAQ
Q1. 在留カードに「特定活動」とあれば雇用できますか? → 資格名だけでは判断できません。就労制限欄、指定書、必要に応じて資格外活動許可の内容を求人と照合してください。
Q2. 特定活動なら週28時間まで働けますか? → 一律ではありません。継続就職活動など一定の人が、1週28時間以内の資格外活動許可を受けている場合に限られます。
Q3. 指定書に会社名がある人を別会社で雇えますか? → そのまま雇用できるとは判断できません。新しい活動に必要な在留手続を確認し、許可前に勤務を開始させないでください。
Q4. 指定書の原本を会社が預かってもよいですか? → 原本は本人が管理します。企業は内容を確認し、必要なら本人の同意を得て写しを保管してください。
まとめ
在留資格「特定活動」は、法務大臣が外国人ごとに活動を指定する仕組みです。同じ資格名でも、指定された範囲で就労できる場合、資格外活動許可が必要な場合、就労できない場合があります。
企業は在留カードだけでなく指定書を確認し、活動内容、勤務先、期間、条件を雇用契約と照合します。採用時の確認記録を残し、配置転換・契約更新・転職のたびに確認し直してください。