特定技能「飲食料品製造業」とは?対象業務と外食業との違いを解説

目次
特定技能「飲食料品製造業」の主な業務は、酒類を除く飲食料品の製造・加工と安全衛生の確保です。食品工場だけでなく、一定の製造を行うスーパーマーケットや製造小売も対象になり得ます。
一方、単なる選別・包装だけの作業や、客に提供するための調理は別の扱いです。事業所の産業分類と、本人が実際に行う主たる業務の両方を確認してください。
1号・2号の対象分野
飲食料品製造業は特定技能1号の19分野の一つで、特定技能2号の対象でもあります。
1号は製造・加工と安全衛生を担い、2号はそれに加えて、複数の従業員を指導しながら工程を管理します。長期雇用を考える企業は、1号の段階から管理経験を記録する必要があります。
酒類の製造は対象外
制度上の定義は「飲食料品(酒類を除く。)の製造・加工」です。日本標準産業分類で飲料製造に含まれる事業所でも、酒類製造の業務は特定技能「飲食料品製造業」の対象になりません。
清涼飲料、茶・コーヒー、製氷など、告示に定める対象産業はあります。酒類と清涼飲料を同じ事業所で製造する場合は、配属工程だけでなく事業所の主な産業と業務内容を所管窓口へ確認してください。
主な業務は製造・加工と安全衛生
製造・加工には、原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥などの一連の生産行為が含まれます。安全衛生の確保には、機械の安全確認、作業者の衛生管理、食品衛生の確保などが含まれます。
原料の受入れ、製品の納品、清掃、事業所管理などは、日本人が通常行う関連業務として付随的に従事できます。
選別・包装だけの専従はできない
入管庁の運用要領は、単なる選別、包装・梱包のみの作業は製造・加工に当たらないと明記しています。
製造工程の一部として包装を行うことはあり得ますが、入社後ずっと箱詰めだけを担当させる計画は認められません。求人票、雇用条件書、現場の配置表で、製造・加工の主たる業務を具体的に示してください。
スーパーマーケットも条件付きで対象
総合スーパーマーケットと食料品スーパーマーケットは、食料品製造を行う事業所に限り対象です。青果加工、鮮魚加工、食肉加工、ベーカリー、そう菜製造などが想定されています。
ただし、販売業務に従事させることはできません。協議会加入時には、特定技能外国人を販売業務に従事させない旨の誓約書も必要です。
製造をまったく行わない小売店や、テナントとして入る別事業者が製造しているだけの店舗は、当然に対象になるわけではありません。
外食業との線引き
判断の軸は、客への提供ではなく製造・加工を主な業務とするかです。
| 比較 | 飲食料品製造業 | 外食業 |
|---|---|---|
| 主な業務 | 製造・加工、安全衛生 | 調理、接客、店舗管理 |
| 想定場所 | 食品工場、製造小売等 | 飲食店、給食事業所等 |
| 客への提供 | 販売・接客は対象外 | 接客を含む |
| 管理業務 | 2号で工程管理 | 2号で店舗管理・経営 |
セントラルキッチンと店舗を持つ企業では、事業所によって分野が異なる場合があります。同じ会社だからという理由で、工場採用の人を店舗の接客へ配置することはできません。
必要な試験と免除
1号は、外国人食品産業技能評価機構が行う飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験と、JFT-BasicまたはJLPT N4以上が基本です。
関連する職種・作業の技能実習2号を良好に修了した場合、技能試験が免除されます。日本語試験は、職種を問わず技能実習2号を良好に修了していれば免除されます。
協議会は在留諸申請の前に加入する
受入企業は、在留諸申請の前に食品産業特定技能協議会へ加入します。加入審査には2〜3か月程度かかると案内されているため、採用決定後では間に合わない場合があります。
登録支援機関も、飲食料品製造業または外食業の受入企業を支援する場合は構成員になる必要があります。全部委託か一部委託かだけで加入不要とは判断できません。
衛生教育は理解を確認する
HACCPに沿った衛生管理は、手順を読ませるだけでは足りません。異物、温度逸脱、機械停止など通常と違う状態を見つけたとき、作業を止めて報告できるかを確認します。
写真や動画、実演、日本語教育支援を組み合わせ、専門用語と危険表示を定期的に確認してください。
2号は管理等実務経験が必要
2号への移行には、2号技能測定試験の合格に加え、飲食料品製造業で複数の従業員を指導しながら作業し、工程を管理した実務経験が必要です。
単一工程で作業した期間だけでは管理等実務経験になりません。指導した人数、工程、期間を記録し、本人から求めがあれば実務経験を証明する書面を交付します。
FAQ
Q1. 酒類工場で受け入れられますか? → 酒類の製造は対象外です。酒類以外の飲料も製造する場合は、事業所の産業分類と実際の業務を個別に確認してください。
Q2. スーパーマーケットでも受け入れられますか? → 食料品製造を行う対象事業所なら可能です。ただし販売業務には従事させられません。
Q3. 包装だけを担当させられますか? → できません。単なる選別、包装・梱包だけの作業は製造・加工に当たりません。
Q4. 店舗の調理にも配置できますか? → 外食業に当たる場合があります。飲食料品製造業で受け入れた人を、接客を含む店舗業務へ自由に配置することはできません。
Q5. 登録支援機関も協議会加入が必要ですか? → この分野の受入企業を支援する場合は必要です。支援の一部だけだから不要とはいえません。
まとめ
飲食料品製造業は、酒類を除く食品の製造・加工と安全衛生が中心です。包装を工程内で行うことはあっても、包装だけへの専従はできません。
スーパーマーケットは食料品製造を行う事業所に限り対象で、販売業務は対象外です。外食業との線引きは会社名ではなく、事業所と実際の業務で判断してください。