分野別ガイド

特定技能「外食業」とは?対象業務・試験・店舗運営の注意点を解説

特定技能「外食業」では、調理・接客・店舗管理を幅広く任せられます。ただし、営業形態による就労制限があり、2026年4月13日からは特定技能1号の新規受入れも一時停止されています。制度の対象業務だけでなく、申請を受け付けられる状況かを最初に確認することが重要です。

2026年4月から1号の新規受入れは一時停止

出入国在留管理庁と農林水産省は、受入れ見込数に達する見通しとなったため、2026年4月13日から外食業分野の特定技能1号について新規受入れを一時停止しました。

同日以降に受理された在留資格認定証明書交付申請は不交付、国内からの在留資格変更許可申請は原則不許可です。ただし、すでに外食業分野の特定技能1号で在留する人の転職に伴う申請や在留期間更新は通常どおり審査されます。技能実習「医療・福祉施設給食製造作業」からの移行にも例外があります。

さらに、外食業特定技能1号評価試験は国内外とも当面実施されません。採用計画を立てるときは、必ず最新の停止措置と再開状況を確認してください。

外食業は特定技能2号の対象

外食業は特定技能の19分野のひとつで、所管は農林水産省です。特定技能2号の対象でもあり、要件を満たして移行すれば在留期間の更新回数に上限がなく、配偶者と子の帯同も認められます。

ただし、1号の在留期間が終われば自動的に2号へ移行できるわけではありません。1号の段階から試験と実務経験を見据えた配置が必要です。

1号で従事できる3つの業務

正式な対象業務は、外食業全般の次の3つです。

  • 飲食物調理:仕込み、加熱・非加熱調理、調味、盛り付けなど
  • 接客:案内、注文、配膳、会計、予約受付、苦情対応など
  • 店舗管理:衛生管理、シフト管理、採用・研修事務、顧客情報管理、発注・検品、会計管理、メニュー企画、広告など

店舗管理は「補助」だけに限定されません。3業務に幅広く従事することが原則ですが、在留期間の一部で調理担当など一つの業務に配置することは認められます。本社経理など、外食業務と無関係な仕事だけに従事させることはできません。

対象となる事業所には、レストランや喫茶店のほか、持ち帰り専門店、宅配専門店、給食事業所、宿泊施設内の飲食部門も含まれます。

就労できない営業所と深夜営業の扱い

受入企業は、原則として特定技能外国人を次の営業所で就労させられません。

  • 風営法第2条第1項の「風俗営業」を営む営業所
  • 同条第5項の「性風俗関連特殊営業」を営む営業所

一方、深夜酒類提供飲食店営業は、風営法第33条第1項に基づく公安委員会への届出営業であり、それだけで上記の禁止類型に当たるわけではありません。深夜営業の居酒屋だから直ちに受入れ不可、という整理は誤りです。ただし、営業実態が禁止類型に該当すれば就労させられません。

「接待」の禁止と旅館・ホテルの例外

営業所の種類を問わず、風営法第2条第3項の「接待」(歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと)を行わせることは禁止です。関連業務として行わせることもできません。

例外として、旅館業法の旅館・ホテル営業の許可を受けた施設内にある風営法第2条第1項第1号の許可営業所であれば、宴会場やレストランで外食業全般の業務に従事できます。ただしこの場合、接待防止マニュアルの作成と相談体制の整備に加え、誓約書と接待防止マニュアルを協議会へ提出しなければなりません。手順書を社内に置くだけでは要件を満たしません。

必要な試験と免除

特定技能1号では、技能試験と日本語試験の両方が必要です。

  • 外食業特定技能1号評価試験:一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)が実施
  • 日本語試験JFT-Basicまたは日本語能力試験N4以上

なお、分野別運用要領では同じ試験を「技能測定試験」と表記します。本記事は農林水産省の試験ページに合わせました。

「医療・福祉施設給食製造職種・作業」の技能実習2号を良好に修了した人は、技能試験と日本語試験が免除されます。それ以外の職種で技能実習2号を良好に修了した人は、日本語試験のみ免除され、技能試験は必要です。

試験日程や実施国は変動します。特に現在は1号試験が停止中のため、過去の日程を前提に募集しないでください。

食品産業特定技能協議会への加入

正式名称は食品産業特定技能協議会で、外食業分野と飲食料品製造業分野が共同で設置しています。受入企業に加え、いずれかの分野で受入企業を支援する登録支援機関も構成員になる必要があります。支援計画の一部だけを受託する場合も対象で、「全部委託でなければ加入不要」という整理は誤りです。

現在は在留諸申請の前に加入証が必要です。農林水産省は加入審査に2〜3か月程度を要すると案内しているため、申請再開を見据える場合も早めに準備します。

特定技能2号の要件

外食業2号には、外食業特定技能2号評価試験、日本語能力試験N3以上、2年間の管理者相当の実務経験が必要です。

実務経験は、食品衛生法の営業許可を受けた飲食店で、複数のアルバイト従業員や特定技能外国人等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、副店長やサブマネージャーなどとして店舗管理を補助した経験を指します。単に調理や接客を2年間行えば足りるわけではありません。

日本語教育の体制に加え、役割、指導対象者、従事期間を記録し、将来の実務経験証明に備えることが重要です。

店舗運営で確認すること

配属先を増やす場合は、各店舗の営業許可、営業形態、実際の担当業務を確認します。同一企業内でも、禁止対象の営業所へ配置することはできません。

深夜勤務では、日本人と同様に深夜割増賃金や休憩が必要です。アレルギー確認や苦情対応に必要な日本語も現場で教育してください。

FAQ

Q1. 深夜営業の居酒屋は受入れできませんか? → 深夜酒類提供飲食店営業であることだけを理由に禁止されるわけではありません。ただし、風俗営業または性風俗関連特殊営業を営む営業所での就労と、接待への従事は禁止です。

Q2. 調理だけを担当させられますか? → 在留期間全体の一部で調理だけを担当することは可能です。ただし、外食業全般の技能を用いる配置が基本で、無関係な業務への専従は認められません。

Q3. 複数の店舗で勤務させることはできますか? → できますが、すべての店舗が受入れの対象である必要があります。禁止類型の営業所が含まれている場合、その店舗へ配置することはできません。

Q4. 2026年7月時点で新たに1号を採用できますか? → 2026年4月13日以降、新規の在留資格認定証明書交付申請は不交付、在留資格変更は原則不許可です。転職や更新などの例外は、個別に最新情報を確認してください。

Q5. 2号へ移行するには何が必要ですか? → 2号評価試験、日本語能力試験N3以上に加え、複数の従業員を指導・監督する副店長等として2年間の実務経験が必要です。

まとめ

特定技能「外食業」では、飲食物調理・接客・店舗管理を幅広く任せられます。深夜酒類提供飲食店営業だから一律に対象外となるわけではありませんが、禁止される営業所の種類と「接待」の有無は厳密に確認しなければなりません。

現在は1号の新規受入れと1号評価試験が停止中です。再開を確認したうえで、協議会加入、試験、店舗の営業形態、2号に向けた実務経験を一体で計画してください。

参考リンク

外国人材の日本語教育を、AIで

資料請求・お問い合わせ