制度解説

特定技能所属機関とは?受入企業が満たす基準と義務を解説

特定技能所属機関とは、特定技能外国人と雇用契約を結び、受け入れる企業や個人事業主です。登録支援機関と名前が似ていますが、雇用主と支援の受託者という別の立場です。支援を外部委託しても、雇用契約の履行や受入れ機関としての届出まで外部へ移るわけではありません。基準と義務を整理します。

特定技能所属機関は雇用主

特定技能外国人が所属して働く機関を、入管法上「特定技能所属機関」と呼びます。実務上の「受入れ機関」「受入企業」と同じ立場です。会社だけでなく、基準を満たす個人事業主がなる場合もあります。

人材紹介会社、送出機関、登録支援機関が当然に所属機関になるわけではありません。雇用契約の相手方と、賃金を支払い指揮命令する主体を確認します。

登録支援機関との違い

登録支援機関は、特定技能所属機関から委託を受け、1号特定技能外国人支援計画の全部を実施できるとして入管庁の登録を受けた事業者です。

項目 特定技能所属機関 登録支援機関
主な立場 外国人の雇用主 1号支援の受託者
雇用契約 締結・履行する 原則として当事者ではない
支援 自社実施または委託 委託範囲を実施
所属機関の届出 自ら行う 代わりに届出人にはなれない

登録支援機関とはで、登録基準と委託先選びを確認してください。

受入れの4つの基準

入管庁は、受入れ機関の代表的な基準を4つに整理しています。

  1. 外国人と結ぶ雇用契約が適切である
  2. 受入れ機関自体が適切である
  3. 外国人を支援する体制がある
  4. 外国人を支援する計画が適切である

報酬額が日本人と同等以上であること、所定労働時間が通常の労働者と同等であること、法令を守り欠格事由に該当しないこと、保証金や違約金契約がないことなどを確認します。業種別の上乗せ基準もあります。

所属機関の事前登録制度ではない

登録支援機関のように、すべての受入企業があらかじめ「所属機関登録簿」へ登録される制度ではありません。外国人の在留申請で、雇用契約、会社の適格性、分野別要件、支援体制を立証します。

過去に受入れ実績があっても、新しい外国人の申請や更新で基準適合を確認されます。税・社会保険料の滞納、非自発的離職、法令違反など、受入れ中に基準不適合が生じた場合の届出も必要です。

1号は支援計画を作成する

1号特定技能外国人を受け入れる所属機関は、職業生活、日常生活、社会生活の支援計画を作り、在留申請時に提出します。義務的支援10項目には、事前ガイダンス、住居確保、生活案内、日本語学習機会、相談、定期面談などがあります。

2号特定技能外国人には、1号と同じ支援計画の作成義務はありません。ただし、適切な雇用契約、法令遵守、届出など所属機関としての義務がなくなるわけではありません。

自社支援と委託を選ぶ

1号支援は所属機関が自ら実施するほか、登録支援機関へ全部または一部を委託できます。自社で支援体制の基準を満たせない場合、全部委託により基準適合を確保する方法があります。

一部委託を選ぶ場合も、支援計画全体の実施責任と進捗管理が残ります。支援計画の作成で、担当者、実施時期、記録、委託範囲を明確にしてください。

支援費用を本人に負担させない

義務的支援に必要な費用は、受入れ機関等が負担し、支援対象の外国人へ負担させてはならないと入管庁が案内しています。

登録支援機関への委託料を、名称だけ変えて給与から控除することも避けなければなりません。住居費など本人負担があり得る項目は、実費、同意、控除方法と支援費を分けて説明します。

分野別協議会へ加入する

特定技能外国人を受け入れる所属機関は、特定産業分野ごとに所管省庁が設ける協議会の構成員になることが求められます。

加入時期、必要書類、会費、事業所単位か法人単位かは分野で異なります。特定技能の申請手順に、該当分野の所管省庁の手続を追加してください。

随時届出と定期届出を行う

雇用契約の変更・終了・新規締結、支援計画や委託契約の変更、受入れ困難、基準不適合などが生じたときは、所属機関が随時届け出ます。雇用契約の終了等は、事由発生から14日以内です。

定期届出は2026年4月から年1回になりました。4月1日から翌年3月31日を対象期間とし、翌年度の4月1日から5月31日までに所属機関が提出します。支援を全部委託している場合も、登録支援機関から資料を受け取り、所属機関が取りまとめます。詳細は特定技能の届出義務で確認してください。

受入れ前の社内確認

初回申請前に、次の担当を決めます。

  • 雇用条件と日本人比較を確認する人事
  • 実際の業務区分を確認する現場責任者
  • 支援計画と委託先を管理する責任者
  • 在留期限、随時届出、定期届出を管理する担当者
  • 分野別協議会と自治体連携を確認する担当者

登録支援機関に依頼する場合も、登録支援機関の選び方を基に、報告方法と緊急時の連絡を契約で決めます。

FAQ

Q1. 特定技能所属機関になるための登録申請はありますか? → 登録支援機関のような一律の事前登録ではありません。外国人の在留申請で、雇用契約、会社、支援、分野別の基準適合を立証します。

Q2. 支援を全部委託すれば、届出も登録支援機関が行いますか? → 所属機関が行う随時届出は、所属機関が届け出ます。定期届出も所属機関が、登録支援機関から必要資料を受けて取りまとめます。

Q3. 特定技能2号にも1号支援計画が必要ですか? → 1号と同じ支援計画の作成義務はありません。ただし、雇用契約の履行、基準適合、各種届出は必要です。

まとめ

特定技能所属機関は、特定技能外国人の雇用主です。登録支援機関へ1号支援を委託しても、適切な雇用、協議会加入、所属機関の届出といった責任は残ります。

受入れ前に4つの基準を確認し、人事、現場、支援、在留・届出の担当を決めてから申請してください。

参考リンク

外国人材の日本語教育を、AIで

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