制度解説

登録支援機関の選び方|確認すべき8項目と委託費用の見方を解説

登録支援機関を選ぶときは、登録の有無だけでなく、実際に支援を継続できる体制を確認します。委託先が支援を実施できなければ、受入企業の採用と在留手続にも影響するためです。

登録簿は候補を探す入口ですが、支援の質を保証する一覧ではありません。委託範囲、担当者数、対応言語、資料の受渡しまで比較してください。

委託しても受入企業の責任は残る

特定技能1号の義務的支援は受入企業が行うものです。登録支援機関へ支援計画の全部を委託すると、受入企業は支援体制の基準に適合するとみなされます。

ただし、義務の主体そのものが移るわけではありません。委託先が支援を行っているかを把握し、受入企業として必要な届出を行います。

委託先の体制が受入れに影響する

入管庁の運用要領は、全部委託でも、登録支援機関の体制から見て実効性ある支援ができないと認められる場合、受入れが認められないことがあるとしています。

支援中に委託先の登録が取り消されると、外国人の在留資格該当性が失われる可能性もあります。取消しが直ちに在留不可を意味するわけではありませんが、速やかな委託先変更などが必要になります。

登録簿で候補を絞る

入管庁の登録支援機関登録簿では、主に次を確認できます。

  • 登録番号、登録年月日、名称、住所、代表者
  • 支援を行う事務所の名称と所在地
  • 法定支援に加えて任意的支援を行うか
  • 相談対応が可能な言語

登録簿は随時更新されるため、記事中の件数ではなく、契約前の掲載状況を確認してください。取消しや登録失効により抹消された機関の過去の履歴は、現在の登録簿だけでは確認できません。

登録は支援品質の証明ではない

登録支援機関になる要件には複数の実績ルートがあります。中長期在留者の受入れ・管理や外国人相談の経験などで要件を満たせるため、自社と同じ分野・地域での支援経験があるとは限りません。

現行制度では支援担当者1人が担当できる企業数・外国人数の数値上限はありません。ただし、2027年4月1日からは、支援担当者数が委託元の企業数を10で割った数と、支援対象者数を50で割った数の双方を超える体制が必要になります。契約期間が施行後に及ぶ場合は、新基準への増員計画も確認してください。

確認すべき8項目

  1. 登録簿に現在掲載されているか
  2. 本人が理解できる言語に対応できるか
  3. 相談対応の曜日、時間、緊急時の連絡方法
  4. 日本語学習支援をどの方法で行うか
  5. 委託費用の額と内訳
  6. 届出用資料をいつ、どの形式で受け取れるか
  7. 支援担当者数、支援人数、事務所の所在地
  8. 自社の分野と地域での支援実績

担当者名だけでなく、退職・休職時の代替体制も確認します。

相談対応は言語と時間で比べる

相談・苦情対応は、本人が内容を余すことなく理解できる言語で行います。母国語に限りませんが、込み入った相談では通訳人が必要です。

運用要領は、1週間当たり勤務日に3日以上、休日に1日以上、夜間など相談しやすい時間にも対応できることを留意事項として示しています。登録支援機関は、外国人本人の勤務形態や勤務時間に合わせて相談時間帯を設定します。

「24時間対応」という広告だけで判断せず、誰が、どの言語で、どの時間帯に応答するかを契約前に確認してください。

日本語学習支援は方法を確認する

日本語学習の機会提供は、本人の希望に基づいて、主に次の方法で行います。

  1. 日本語教室や認定日本語教育機関の情報提供と手続補助
  2. 教材やオンライン講座の情報提供と入手・契約補助
  3. 登録日本語教員等と契約して講習機会を提供

情報提供と講習実施では支援内容が大きく違います。どれを標準とするか、受講状況をどう把握するかを聞いてください。日本語教育支援との役割分担も決めます。

費用は額と内訳を比較する

登録支援機関は、受入企業に支援費用の額と内訳を明示することが求められます。公的に示された一律の相場はありません。

運用要領も、人数、事業所数、場所などで委託費用が異なり得るとして、複数の登録支援機関から見積りを取るよう案内しています。受入れ費用と合わせ、初期対応、月ごとの支援、通訳、遠方対応などの範囲をそろえて比較してください。

支援計画と届出の役割を確認する

全部委託でも、支援計画を作成するのは受入企業です。登録支援機関が作成を補助することはできます。

随時届出も受入企業が行い、登録支援機関が代わりに届け出ることはできません。定期届出は年1回で、対象期間は4月1日から翌年3月31日、提出期限は翌年5月31日です。全部委託の場合は、登録支援機関の支援実施状況も取りまとめます。

委託先には「届出を代行できるか」ではなく、根拠資料をいつ、どの形式で渡すかを確認してください。

全部委託と一部委託を選ぶ

  • 全部委託:受入企業は支援体制の基準に適合するとみなされる
  • 一部委託:委託範囲を支援計画に明示し、残りは自社の責任で実施する(体制基準を満たせば別の委託先に分けることも可能)
  • 定期面談:全部委託の場合を除き第三者へ委託できない

一部委託を選ぶ場合、3か月に1回以上の定期面談を自社で行えるかも確認します。実務上は、住居、相談、日本語学習の3項目を自社で回せるかが一つの判断材料になります(実施責任は義務的支援10項目すべてに及びます)。

FAQ

Q1. 登録支援機関の一覧はどこで見られますか? → 入管庁の登録支援機関登録簿で確認できます。件数は随時変わるため、契約時に最新の掲載状況を見てください。

Q2. 委託費用の相場はいくらですか? → 公的な一律相場はありません。支援範囲をそろえて複数社から見積りを取ります。

Q3. 一部だけ委託できますか? → できます。ただし、委託しない支援を自社で実施できる体制が必要です。

Q4. 定期面談だけを委託できますか? → 支援計画の全部委託の場合を除き、第三者へ委託できません。

Q5. 登録が取り消されたら直ちに在留できなくなりますか? → 直ちにそうなると一律にはいえませんが、在留資格該当性が失われる可能性があるため、委託先変更などを速やかに検討します。

まとめ

登録支援機関の選定は、自社の受入れリスクを管理する作業です。登録簿で候補を絞り、言語、相談時間、日本語学習、担当者数、届出資料、費用を比較してください。

特に2027年4月から支援担当者の配置基準が変わります。契約期間が施行後に及ぶ場合は、現行の体制だけでなく増員計画まで確認する必要があります。

参考リンク

外国人材の日本語教育を、AIで

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