日本語教育

JFT-Basicの勉強方法・対策|200点に届かない原因を4分野で診断

JFT-Basic対策は、教材を最初から一律にやり直すより、「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」のどこで失点しているかを先に特定する方が、支援計画を立てやすくなります。特に175~199点の人へ、初級日本語を全面的に教え直すのは非効率です。企業・登録支援機関・日本語学校が、200点到達までの支援をどう分担するかを整理します。

まず判定結果通知書で弱点を確認する

2026年8月以降、JFT-Basicは総合得点(10~250点)からA1・A2.1・A2.2(A2)の3段階を判定し、145点未満は水準が表示されず「*」となります。試験の構成・得点区分・日程といった基本情報はJFT-Basicの試験ガイドに譲り、本記事は結果の読み方と対策に絞ります。特定技能1号で一般に必要なのは200点以上ですが、分野・業務区分による例外は特定技能の日本語要件で確認してください。

判定結果通知書には、総合得点に加えてセクションごとの正答率が参考情報として表示されます。まず最も低いセクションを特定し、次に模擬問題の誤答をカテゴリー別に分けます。なお、セクションごとの最低点はありません。4セクションを総合して判定されるため、全分野に同じ学習時間を配る必要もありません。

診断では誤答の理由まで記録する

正答率だけでは対策を決めきれません。支援者は、誤答を次の4種類に分けます。

誤答の理由 対応
語や文法を知らない 該当事項を教材に戻って学ぶ
知っているが使い分けられない 生活場面を変えた例題で練習する
読む・聞く速度が間に合わない 短い時間を測って反復する
画面操作や設問理解で迷う 本番に近い画面で操作を練習する

総合得点だけを見て「日本語力不足」と決めないことが重要です。 操作で止まった人と、基本語彙が不足している人では、必要な支援が異なります。

「文字と語彙」は意味と用法を分ける

このセクションには、語の意味・用法、漢字の読み・意味と用法があります。単語帳で意味だけ覚えても、文の中で使う問題には対応できません。

誤答記録を「意味」「用法」「漢字の読み」「漢字の意味と用法」に分け、弱いカテゴリーを優先します。新しい語は単独で暗記させず、買い物、通勤、職場の連絡などの短い文に入れて、読んで選ぶ練習まで行います。

「会話と表現」は場面と相手を変えて練習する

文法を説明できても、会話の文脈に合う表現を選べないことがあります。誰が誰に話しているか、依頼・許可・断り・確認のどの目的かを、選択肢を見る前に整理させます。

教える側は同じ文法で場面だけを変え、職場、店、役所などで適切な言い方が変わることを確認します。正解の丸暗記ではなく、その表現を選ぶ理由を本人の理解できる言語で説明させると、使い分けの弱点が見えます。

「聴解」は2回で判断する練習が必要

聴解の音声は2回まで聞けますが、前後の問題へ移動して見直しや再解答はできません。この制約は、他のセクションと大きく異なります。

1回目は場所・登場人物・目的をつかみ、2回目で日時、数量、行動など答えに必要な情報を確認する練習にします。毎回止めたり3回以上聞いたりする学習だけでは、本番の判断手順が身につきません。最終段階では2回で回答し、終了後に聞き取れなかった表現へ戻ります。

「読解」は全文訳より情報検索を優先する

読解は、短い手紙やメッセージの内容理解と、看板・掲示・資料から必要な情報を探す問題です。すべてを母語へ訳してから答えると、時間を使いすぎることがあります。

設問で「誰が・いつ・何をするか」を先に確認し、必要な箇所を探す練習を行います。間違えたときは、語彙不足なのか、否定・条件・日時を読み落としたのかを分けて記録してください。

60分と画面操作を別の課題として扱う

本番は約50問・60分で、セクション別の制限時間はありません。ただし次のセクションへ進むと前へ戻れません。日本語力があっても、見直しに時間を使いすぎれば後半が不足します。

初期診断では正確さを優先し、その後は残り時間を表示した状態で練習します。未回答、見直し対象、次のセクションへ進む操作を本人が説明できるかも確認します。

3段階判定で学習の範囲を変える

判定・得点 支援の優先順位
145点未満・「*」 4セクションを診断し、基礎語彙と生活場面の表現から組み直す
A1・145~174点 低いセクションを優先しながら、A2の教材へ進む
A2.1・175~199点 弱いカテゴリーと操作・時間配分に絞る
A2.2・200点以上 試験対策を終え、配属先の日本語教育へ移す

総合得点は正答数そのままではなく、統計処理された尺度得点です。「あと10点だから数問だけ直せばよい」とは判断できません。 175~199点でも、判定結果通知書のセクション別正答率と練習記録を組み合わせて計画します。

45日間の再受験制限から採用日程を逆算する

199点以下なら再受験できますが、前回の受験日から次の受験日まで45日間空ける必要があります。一度200点以上に達した人は再受験できません。正式な判定結果通知書は受験後5営業日以内に発行されます。

そのため、入社予定日から最初の受験日を決めるのでは遅すぎます。先に在留資格申請へ判定結果通知書を用意したい日を置き、そこから「通知書発行までの期間」「会場の空き」「再受験の45日間」をさかのぼります。初回不合格を想定せず日程を組むと、学習が間に合っても採用手続が止まります。

企業・支援機関・日本語学校の役割を分ける

企業は必要書類の期限と配属後に必要な日本語を決め、登録支援機関は受験日・判定結果・次回受験可能日を一覧で管理します。日本語学校はセクション別正答率と誤答理由から学習内容を決めます。

試験の200点到達と、作業指示・安全確認・報告ができることは同じではありません。合格後は職場の日本語研修へ切り替え、受入れ後の日本語教育を継続してください。

教材は診断用と学習用を分ける

国際交流基金は、実際の画面に近いサンプル問題と、生活場面を扱う『いろどり 生活の日本語』を案内しています。サンプル問題は出題形式の確認、教材は不足している力の学習に使い分けます。4セクションを通した画面操作と時間配分の確認には、HandsOn AIのJFT-Basic模試も利用できます。

FAQ

Q1. JFT-Basicは独学でも200点を目指せますか? → 学習方法は本人によります。支援者は独学か通学かを先に決めず、判定結果通知書のセクション別正答率と誤答理由から、指導が必要な範囲を判断してください。

Q2. 175~199点なら何を勉強すべきですか? → 最も正答率の低いセクションを特定し、誤答をカテゴリーと理由に分けます。全教材のやり直しではなく、弱点と画面操作・時間配分を優先します。

Q3. 聴解は何回聞けますか? → 2回までです。前後の問題へ移動して見直すことはできないため、2回で必要情報を判断する練習が必要です。

Q4. 不合格後すぐに再受験できますか? → できません。199点以下の場合、前回と次回の受験日の間を45日間空ける必要があります。

まとめ

JFT-Basic対策は、セクション別正答率と誤答理由から、200点に届かない原因を特定することから始めます。文字・語彙、会話表現、聴解、読解の全てを同じ量だけ学ばせる必要はありません。

聴解の操作制約、60分の時間配分、45日間の再受験制限は、日本語知識とは別に管理します。企業、登録支援機関、日本語学校が、期限管理・診断・指導を分担してください。

参考リンク

外国人材の日本語教育を、AIで

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