永住許可とは?特定技能1号・2号の期間算入と企業の支援を解説

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永住許可は、長く働けば自動的に得られる資格ではありません。一般的な経路では、引き続き10年以上の在留に加え、対象となる就労資格または居住資格で引き続き5年以上在留することが必要です。技能実習と特定技能1号の期間は、10年の在留歴には含まれ得ますが、後半の「就労資格等5年」には算入されません。 受入企業は二つの時計を分けて考える必要があります。
永住許可で変わること
「永住者」になると在留活動と在留期間の制限がなくなります。ただし、国籍を取得する帰化とは別の制度です。
資格の違いは在留資格の一覧比較、特定技能の段階は1号と2号の違いを参照。
原則は「10年」と「5年」の両方
2026年2月24日改訂の入管庁ガイドラインは、原則として次の二つを求めています。
- 引き続き10年以上、日本に在留していること
- その期間のうち、対象となる就労資格または居住資格で引き続き5年以上在留していること
居住資格は、単に日本に住所があるという意味ではなく、「日本人の配偶者等」「定住者」など身分・地位に基づく在留資格を指します。在留が10年でも、二つ目の5年を満たすとは限りません。
特定技能1号と技能実習の期間
ガイドラインは、5年の対象となる就労資格から技能実習と特定技能1号を明示的に除外しています。したがって、この二つを続けても、それだけでは就労資格等5年を満たしません。
一方、この期間が原則10年の在留歴から除外されるとは書かれていません。入管庁の特定技能制度Q&Aも、両資格の期間は「就労資格として在留している期間」に含まれないと説明しています。特定技能1号の期間が全部無駄になるわけでも、その期間だけで永住要件を満たせるわけでもありません。
特定技能2号の期間
特定技能2号の期間は就労資格として在留している期間に含まれ、永住者への変更が可能と入管庁のQ&Aが明記しています。2号には在留期間の通算上限もありません。ただし、1号から自動で2号へ移れるわけではなく、対象分野、技能試験、実務経験などの要件を別に満たす必要があります。
技能実習や1号の後に2号へ移った場合も、10年と就労資格等5年の両方の時計を確認します。移行時点で永住の許可時期を約束してはいけません。
配偶者・定住者・高度人材の特例
原則10年には複数の特例があります。代表例は次のとおりです。
| 区分 | 在留歴に関する特例 |
|---|---|
| 日本人・永住者・特別永住者の配偶者 | 実体を伴う婚姻が3年以上続き、かつ日本に引き続き1年以上在留 |
| その実子等 | 日本に引き続き1年以上在留 |
| 定住者 | 「定住者」で引き続き5年以上在留 |
| 高度人材外国人 | 70点以上を維持して3年以上、または80点以上を維持して1年以上 |
| 特別高度人材 | 基準に該当して引き続き1年以上 |
これは各区分の在留歴要件を短縮する仕組みです。日本人、永住者または特別永住者の配偶者・子は、素行善良と独立生計の要件を求められないなど扱いが異なるため、申請区分を先に確定します。
年数以外の審査要件
一般経路では、素行が善良であること、将来に安定した生活が見込まれる資産または技能があること、日本国の利益に合することも審査されます。日本国の利益に関する条件には、次の事項が含まれます。
- 罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと
- 税、年金、医療保険料、入管法上の届出などの公的義務を適正に履行していること
- 現在の在留資格の上陸許可基準等に適合していること
- 公衆衛生上、有害となるおそれがないこと
税や保険料は、申請前に払えば必ず問題が解消するわけではありません。本来の期限を過ぎた納付は、申請時に完納していても原則として消極的に評価されます。
就労資格の申請書類と納付記録
就労資格から申請する場合、2026年7月時点の案内では、所得・住民税関係は直近5年分、公的年金と公的医療保険の納付状況は直近2年分の資料が基本です。国税についても、指定された税目に未納がないことを示す証明書が求められます。必要期間は配偶者、実子、定住者、高度人材など申請区分により異なるため、一般経路の年数を全員に当てはめないでください。
社会保険の基本は外国人労働者の医療・保険制度で確認できます。会社は給与控除だけでなく、入社・退社時の資格取得や喪失も適切に扱ってください。
会社が用意できる書類の範囲
就労資格向けの公式案内では、会社勤務者の職業を証明する資料として在職証明書が挙げられています。本人に日本への貢献実績がある場合は、会社代表者による推薦状も任意資料になり得ます。
一方、住民票、税の証明書、年金・医療保険の納付記録、預貯金資料、パスポートや在留カードは、本人が取得または提示するものです。会社の給与資料は公的証明書を置き換えません。会社ができるのは事実の証明と取得支援であり、審査結果の保証ではありません。
身元保証人は会社の義務ではない
永住許可申請には身元保証書と、保証人の身分事項を示す書類が必要です。入管庁は、通常、日本に居住する日本人、永住者または特別永住者を身元保証人と案内しています。現在の様式で保証する内容は、本人が法令を守り、公的義務を履行するために必要な支援を行うことです。
雇用企業が法人として当然に保証人になる制度ではありません。役員や上司が個人で引き受ける場合も、任意の判断と雇用上の指示を混同しないようにします。
在留期間3年の経過措置
ガイドラインは現在の資格について最長の在留期間を求めています。ただし、2027年3月31日までは在留期間3年も「最長」とみなす取扱いです。2027年4月1日からは原則どおり実際の最長期間が必要になります。
2027年3月31日時点で3年の在留期間を持つ人には、その在留期間内に処分を受ける場合、初回に限る経過措置があります。申請日だけでなく処分日が関わるため、3年を持っているから将来も要件を満たすと固定的に案内しないでください。
申請中も現在の資格を更新する
永住許可を申請しても、現在の在留資格と在留期間はそのままです。審査中に満了日を迎えるなら、満了前に別途、在留期間更新許可申請が必要です。在留期間更新の実務と並行して期限を管理してください。
FAQ
Q1. 特定技能1号の5年間は永住申請の年数に含まれますか? → 原則10年の継続在留には含まれ得ますが、その内数として必要な就労資格等5年には算入されません。二つの要件を分けて確認してください。
Q2. 特定技能2号なら5年後に必ず永住できますか? → いいえ。2号の期間は就労資格等5年に算入できますが、原則10年の継続在留、公的義務の履行、素行、独立生計なども審査されます。
Q3. 会社は永住許可申請の身元保証人になる必要がありますか? → 会社の義務ではありません。入管庁は通常、日本在住の日本人、永住者または特別永住者を保証人と案内しています。会社は在職証明書の発行や必要資料の案内で支援できます。
Q4. 永住申請中は在留期間を更新しなくてもよいですか? → 更新は必要です。現在の在留期間が審査中に満了する場合、満了日までに別途更新申請を行います。
まとめ
永住許可の一般経路では、原則10年の継続在留と、対象となる就労資格または居住資格での5年を分けて数えます。技能実習と特定技能1号は後者に算入されず、特定技能2号は算入されます。配偶者や高度人材の特例は別区分であり、年数だけで許可が決まるわけではありません。
企業は在職証明書を正確に発行し、税・年金・医療保険や在留期間を本人が管理できる環境を整えてください。永住を約束せず、期限内の義務履行と記録確保を支えることが現実的な定着支援です。