外国人材の受入れ初日から1か月|企業の手続きチェックリスト

目次
外国人材の受入れ初月を「入社後1か月以内」で一括管理すると期限を取り違えます。住居地の届出は住居地を定めた日から14日以内、社会保険の資格取得届は事実発生から5日以内です。生活支援は在留資格によって企業の義務かどうかが変わります。
先に対象者と起算日を分け、その後に担当者と完了証跡を割り当てるのが安全です。初日から1か月までを時系列で整理します。
最初に「全員共通」と「制度固有」を分ける
労働条件、就労可否、労働・社会保険の適用は、在留資格を問わず確認します。空港等からの送迎、生活オリエンテーション、公的手続への同行などの義務的支援は、原則として1号特定技能外国人に対する支援です。
他の在留資格へ同様の支援を行うことは有効ですが、法定支援と一般の受入れ施策を混同してはいけません。在留資格の一覧と支援計画を照合し、本人ごとに必要事項を確定します。
入社前から初日:在留カードと契約内容を再確認する
業務を始める前に、在留カードの表面にある就労制限、在留期間の満了日、裏面の資格外活動許可を確認します。「特定活動」は旅券に添付された指定書まで確認しなければ、就労範囲を判断できません。確認方法は在留カードの見方も参照してください。
雇用契約書と労働条件通知書は、実際の職種、就業場所、賃金、労働時間、控除項目と一致させます。主要な労働条件を書面で交付し、母国語や平易な日本語など本人が理解できる方法で明示します。署名と理解は同じではありません。
入国日:送迎と在留カードの交付状況を記録する
海外から入る1号特定技能外国人には、支援計画に基づく空港等から事業所または住居までの送迎があります。国内で別の在留資格から特定技能1号へ変更した人には、この「入国時」の送迎は発生しません。
上陸時に在留カードを受け取ったか、旅券に「在留カード後日交付」と記載されたかを記録します。到着日、入居日、雇用開始日は同日とは限らないため、別の起算日として台帳に残します。
住居地を定めた日から14日以内:市区町村で届け出る
新規上陸した中長期在留者は、住居地を定めた日から14日以内に住居地の市区町村へ届け出ます。在留カードを提示して住民基本台帳法上の転入届を行えば、入管法上の住居地届出も行ったものとみなされ、別に入管窓口へ同じ届出をする必要はありません。カードが後日交付の場合は、その記載がある旅券を提示します。
対象は中長期在留者です。短期滞在者などへ一律に案内しないでください。特定技能1号では、必要に応じた同行と書類作成の補助も義務的支援です。
雇用開始から5日以内:社会保険の資格取得届を出す
健康保険・厚生年金保険の適用事業所に常時使用される人は、国籍や賃金額にかかわらず、適用要件に従って被保険者になります。事業主が出す資格取得届の期限は事実発生から5日以内です。
来日直後でマイナンバーと基礎年金番号の両方を記載できない場合は、備考欄等に記載できない理由を記入して提出します。マイナンバーと基礎年金番号が結び付いていない人は、資格取得届にローマ字氏名届を添付します。番号の取得を待って届出を保留しないでください。適用対象外なら、国民健康保険や国民年金第1号の手続を市区町村で確認します。外国人労働者の医療・保険制度も説明に使えます。
翌月10日・翌月末:雇用保険と外国人雇用状況を届け出る
雇用保険は、原則として週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある労働者が対象です。資格取得届は被保険者となった月の翌月10日までに提出します。
外国人雇用状況の届出は、特別永住者と在留資格「外交」「公用」を除く外国人の雇入れ時に必要です。
- 雇用保険の被保険者:資格取得届に必要事項を記載し、翌月10日まで
- 雇用保険の被保険者でない人:様式第3号で、雇入れ月の翌月末日まで
同じ外国人の届出でも経路と期限が異なります。在留カード等の提示を受けて、届出事項を確認します。
入国・許可後すみやかに:特定技能1号の生活支援を行う
1号特定技能外国人の生活オリエンテーションは、入国後または在留資格変更許可後、遅滞なく、本人が十分に理解できる言語で行います。運用要領別冊は、提供する情報を十分に理解するには少なくとも8時間以上行うことが必要との考え方を示しています。
生活ルール、交通、医療、防災、行政機関、相談先などを扱い、実施日時、言語、担当者、項目を記録します。全体像は義務的支援10項目で確認できます。委託した場合も企業が進捗を把握してください。
第1週から給与締め日前:口座・携帯電話・ライフラインを整える
1号特定技能では、預貯金口座の開設、携帯電話、電気・ガス・水道などの契約について、案内と手続の補助を行います。口座開設などに共通の法定「1か月期限」があるわけではありませんが、給与支払日や就業連絡に間に合うよう逆算します。
本人名義、登録住所、料金、解約方法を理解できる言語で確認し、暗証番号や通帳を会社が預かる運用は避けます。外国人労働者の生活課題も確認してください。
15日から30日:未完了と理解不足を再点検する
初回給与の前に、勤怠、控除、手取り額の見方を説明します。緊急連絡先、通勤経路、病院の利用方法、相談窓口も、本人に説明してもらう方法で理解を確かめます。
管理表には「案内済み」だけでなく、届出日、受付記録、担当者、本人確認日を残します。登録支援機関に委託している場合は、登録支援機関の役割と委託範囲を照合し、会社が行う手続との抜けや重複を防ぎます。
初月チェックリスト
| 時期 | 確認事項 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 入社前〜初日 | 就労可否、在留期限、指定書、労働条件 | 雇用する外国人 |
| 入国日 | 送迎、カード交付状況、各起算日 | 海外から入る特定技能1号等 |
| 5日以内 | 健康保険・厚生年金保険資格取得届 | 適用要件を満たす人 |
| 14日以内 | 転入・住居地届出 | 新規上陸後の中長期在留者 |
| 遅滞なく | 生活オリエンテーション | 特定技能1号 |
| 翌月10日 | 雇用保険資格取得・外国人雇用状況 | 雇用保険の被保険者 |
| 翌月末 | 外国人雇用状況の様式第3号 | 雇用保険の被保険者でない対象者 |
FAQ
Q1. 住居地の14日は入国日から数えますか? → 入国日ではなく、住居地を定めた日から数えます。到着日と入居日を分けて記録してください。
Q2. 外国人は全員、会社が生活オリエンテーションを行う義務がありますか? → いいえ。ここでいう義務的支援は原則として特定技能1号が対象です。他の在留資格への生活案内は、法定支援と分けて社内制度として管理します。
Q3. マイナンバーが分かるまで社会保険の届出を待てますか? → 待つ前提にはできません。マイナンバーと基礎年金番号の両方を記載できない場合の提出方法が日本年金機構から示されているため、5日以内の期限に沿って処理します。
Q4. 外国人雇用状況届出は社会保険の届出で代用できますか? → 代用できません。雇用保険の被保険者は雇用保険資格取得届で兼ねますが、健康保険・厚生年金保険の資格取得届とは別の制度です。
まとめ
受入れ初月は、在留資格別の支援と、雇用関係の届出を一本の期限で管理しないことが重要です。初日に就労可否を確認し、社会保険は5日、住居地は14日、雇用保険と外国人雇用状況は対象区分ごとの期限で処理します。
特定技能1号には、送迎、生活オリエンテーション、口座・通信・ライフラインの契約補助などが加わります。起算日、対象、担当者、完了証跡を一人ずつ記録し、15日から30日の再点検で理解不足まで拾ってください。