ミャンマー人材の送出し手続|企業がOWIC遅延と認定送出機関を確認する方法

目次
ミャンマー人材の海外採用では、日本の在留資格に加え、求人票承認、認定送出機関、海外労働身分証明カードの手続が必要です。
2026年7月29日時点では、同カードの発給遅延に対応する在留資格認定証明書の特例も続いています。通常時の所要期間を前提に入社日を確約すると、書類がそろわないまま証明書の期限を迎えかねません。 海外から呼び寄せる場合と、日本在住者を採る場合を分けて確認します。
海外採用と国内採用は手続が違う
ミャンマーから新たに特定技能人材を呼び寄せる場合は、ミャンマー政府の認定送出機関を通じて求人と雇用契約を進めます。一方、日本に在留するミャンマー人を特定技能で採用する場合、入管庁の案内では現地送出機関を通さずに直接採用できます。
最初に「海外からの新規入国」か「日本国内での在留資格変更」かを確定し、特定技能の申請手続と本国側手続を別々に管理してください。
特定技能の協力覚書は継続している
日本とミャンマーは2019年3月に特定技能の協力覚書を作成しました。悪質な仲介事業者の排除や情報共有が目的で、継続期間は2024年4月1日から5年間更新されています。
ただし、協力覚書があること自体は個別の送出し許可ではありません。候補者ごとに、現行の求人票承認、送出機関、出国手続を満たす必要があります。
海外から受け入れる基本の順序
入管庁が示す流れは次のとおりです。
- 受入企業が認定送出機関へ求人票を提出する
- 送出機関が求人票をミャンマーの労働当局へ提出する
- 在日ミャンマー大使館での内容確認を経て、求人票の承認を受ける
- 承認済みの求人票に基づき、送出機関が候補者を紹介する
- 受入企業と候補者が雇用契約を締結する
- 日本で在留資格認定証明書の交付を申請する
- 本人が海外労働身分証明カードと日本の査証を申請する
- ミャンマー出国時に同カードを提示し、日本の上陸審査を受ける
求人票の承認前に、紹介・契約を既成事実として進めないことが重要です。 海外面接の進め方も、承認される求人条件と一致させます。
認定送出機関は二段階で確認する
入管庁は、特定技能の認定送出機関一覧と、認定を一定期間無効とされた機関の情報を掲載しています。ただし、情報提供の時期によって最新でない場合があると注意しています。
企業は、契約前と求人票提出前に次を確認してください。
- 特定技能の認定一覧に掲載されているか
- 認定が無効となっている期間に該当しないか
- 会社名、所在地、連絡先、契約相手が一致するか
- ミャンマー労働当局へ現在の認定状況を照会したか
- 日本国内で職業紹介に関与する事業者に必要な許可があるか
一覧掲載だけで品質は保証されません。送出機関の選び方に沿って、本人負担、返金条件、事前説明も書面で確認します。
OWICは出国までの重要な条件
海外労働身分証明カード(OWIC、通称スマートカード)は、ミャンマー国籍者が海外で働くために申請するカードで、出国時に提示します。在ミャンマー日本国大使館も、就労目的の渡航ではミャンマー法令上、同カードの取得が必要と案内しています。
2026年5月にはミャンマー労働省が発給拠点を視察しています。一方、入管庁は、送出し制度の改革や震災などによる発給遅延を公表しています。発行日を企業側で決められないため、航空券や入社日は取得状況を確認してから確定してください。
COEの有効期間には当面の特例がある
入管庁はOWICの発給遅延を受け、ミャンマー国籍者の就労資格とそれに伴う家族滞在について、在留資格認定証明書(COE)の有効期間を作成日から6か月とみなす措置を掲載しています。
この措置には、有効な査証と、受入企業等が「交付申請時の活動内容どおり受入れ可能」とする文書などの条件があります。すべての証明書が自動的に6か月有効になるわけではありません。 6か月を過ぎた場合は再申請が必要です。
査証申請の窓口も更新されている
在ミャンマー日本国大使館は、2025年12月11日以降、日本への査証申請の受付・交付を日本ビザ申請センターで行うと案内しています。外交・公用、緊急案件などは例外です。
在留資格認定証明書はOWICの代わりにはなりません。送出機関には「求人票承認」「証明書」「査証」「OWIC」それぞれの証憑と日付を提出してもらいます。
日本在住者は直接採用できる
日本にいるミャンマー人を特定技能で採る場合、入管庁の案内では、受入企業が本人と直接雇用契約を締結し、本人が在日本ミャンマー大使館で旅券の更新申請を行った後、地方出入国在留管理官署へ在留資格変更許可を申請します。
ミャンマー側手続を行ったことの証明書は、日本の在留諸申請では提出不要とされています。ただし、提出不要は本国側の旅券手続まで不要という意味ではありません。 在留資格変更の流れと大使館手続を並行して確認してください。
制度ごとの送出機関一覧を混ぜない
特定技能の認定送出機関は入管庁、技能実習の認定送出機関は外国人技能実習機構が別々に公表しています。技能実習制度の一覧に載っていることだけで、特定技能にも使えるとは判断できません。
さらに2027年4月1日開始の育成就労では、送出機関の認定枠組みが別です。2026年7月29日時点で、同機構の育成就労用一覧にミャンマーは掲載されていません。今後更新され得るため、技能実習や特定技能の一覧を転用せず、契約時点の育成就労用一覧を確認してください。
企業が工程表に残す項目
- 候補者の現在地と採用する在留資格
- 使用する送出機関の認定確認日
- 求人票の提出日、承認日、承認された雇用条件
- 雇用契約と在留資格認定証明書の内容
- 査証とOWICの申請・発給状況
- 入社日の変更条件と、本人への連絡担当者
費用や処理期間は案件によって変わるため、見積りと公的手続の進捗を分けて管理してください。
FAQ
Q1. ミャンマー人を特定技能で呼ぶ場合、送出機関は必須ですか? → ミャンマーから新たに受け入れる場合は、ミャンマー政府の認定送出機関を通じて人材紹介と雇用契約を進めると入管庁が案内しています。契約時点の認定と無効情報を確認してください。
Q2. 日本在住のミャンマー人も送出機関を通す必要がありますか? → 入管庁の案内では、国内在住者は現地送出機関を通さず直接採用できます。本人の旅券手続と、日本の在留資格変更許可申請は別に必要です。
Q3. OWICがなくても在留資格認定証明書があれば出国できますか? → できるとは判断できません。在ミャンマー日本国大使館は、就労目的の渡航にはOWICが必要と案内しています。証明書と査証はOWICを代替しません。
Q4. COEは現在6か月有効ですか? → ミャンマー国籍者の就労資格等には当面の延長措置がありますが、有効な査証と受入企業等の文書などの条件があります。個別の証明書が対象かを入管庁と大使館の最新案内で確認してください。
まとめ
ミャンマーから特定技能人材を受け入れる場合は、認定送出機関、求人票承認、雇用契約、日本の在留手続、査証、OWICを別工程として管理します。現在はOWICの発給遅延に伴う特例もあるため、従来の所要期間だけで入社日を決められません。
国内在住者の直接採用は可能ですが、旅券と在留資格変更の手続が残ります。どちらの経路でも、制度別の送出機関一覧と最新の発給状況を、公的窓口で案件ごとに確認してください。